世界一の女子サッカー選手になれ――えっ球技? いやいやサッカーといえば……スーパーとかで買い物袋に商品を詰め込む人のコトに決まってるでしょうがァァァ!
第27話 それは世界のどこかにいる〝強敵〟達――まだ見ぬサッカー選手(袋詰めする方)達――!
第27話 それは世界のどこかにいる〝強敵〟達――まだ見ぬサッカー選手(袋詰めする方)達――!
これは、
北海道の山中、その更に奥深い
「――――ハイダラァァァァァァァ!!」
『―――グ、グオオオン………』
大木の如き怪腕から繰り出される、岩のような拳が――
されど、岩のような大男は今しがた倒した羆に見向きもせず、
「ふっ……予感がしたわ、新たな戦士が……そう、サッカー選手(袋詰めする方)が生まれた予感がのう……新たなる強者よ、早く此処まで上がってくるが良い」
呟きながら、今まさに修行僧の如くサッカー(袋詰めする方)の修行のため、山籠もりを続ける巨漢が――巨大な拳を天に突き上げ、叫ぶ。
「サッカー界(袋詰めする方)の天を掴むは、この《熊殺し》の拳なり――!」
――更に、世界を駆け巡る〝予感〟は、国内だけに留まらず。
▼ ▼ ▼
「
中国、山頂にそびえ立つ厳かな寺、その屋外にて互い同士の間を空けながら、規則正しく整列し――レジ袋に詰め込まれた砂に手刀を突き込む、大勢の弟子たち。
「
「「「ハイィーーーーーッ!!」」」
休む間もなく鍛錬……いや
「お師さま……今、感じたアルね。それも、とてつもなく……大きな、アル」
『………………』
声をかけられ、手を合わせていた〝師〟と呼ばれた人物が、ゆっくり顔を上げると。
「……そう、あなたも感じたのね……ええ、感じましたとも……新たなるサッカー選手(袋詰めする方)が生まれた、そういう〝気〟をね」
「! やっぱりアル……〝気〟アルね……!」
「新たなる闘士(袋詰めする人のこと)は……この《
「
「そう。……アルの? ないの? どっちなの?」
「あいやー?」
キョトン、とするチャイナドレスの少女だが――《殺界公主》なる
「サッカーが古代中国の万象学・算命学をルーツとする〝
「
※出典:カク
▼ ▼ ▼
―――イタリアの地下深くでは。
「―――《
「ギャアアアア! ま、まさか猛毒のレジ袋とはァァァァ!」
今、試合を制した者――まさに闇世界のサッカーマフィア(袋詰めする方)のドンとも呼ばれるべき男が、子分を従えて。
「兄貴ィ! やっぱドンの兄貴はスゲーやァ!」
「ふん、くだらねぇ……この程度で、騒いでんじゃ―――ッ!?」
「? ドン兄貴ィ! どうしたんですかい兄貴ィ~!」
「……オイ、テメーは感じなかったのか……?」
「? ??」
いまいち要領を得ない子分に、チッ、と舌打ちしたドンは――
「表のサッカー界(袋詰めする方)も……面白くなってきたじゃねェか……!」
▼ ▼ ▼
気配を消し、スコープ越しに、狙いをつける――溶接したかのように銃口を動かさず、呼吸さえも止まっているかのように。
(TAC-50の有効射程は、およそ1800M――だが俺は、2000Mまでなら確実にHITできる。3.2……0)
狙撃の瞬間、一切の感情を排し、放たれたゴム弾は――彼方に見えた商品を的確に撃ち飛ばし、レジ袋へと吸い込ませていく。
ふっ、と息を吐きながら、スナイパーは前髪をかき上げた。
「2000M以上―――この〝山猫〟から逃げられるものなら、逃げてみな―――」
▼ ▼ ▼
『………始まったようだな』
何処とも知れぬ、闇に包まれし円卓を囲む、顔すら隠した、謎の人間達。
厳かに席に着きながら、呟く言葉は重々しく。
『これよりサッカー界(袋詰めする方)は、大きく進化してゆくだろう』
『ええ……我々の計画通りです』
『世界は、変わってゆく……サッカー(袋詰めする方)を中心に、変わってゆく』
『我らはただ、計画遂行のため……大いなる未来への
それは、責務か―――はたまた、野望か。
円卓を囲む者たちは、同時に、言葉を揃えて放った。
『『『―――人類サッカー選手化計画(袋詰めする方)、遂行のために―――』』』
何処とも知れぬ、
恐るべき計画が、進行しているのかもしれない―――
▼ ▼ ▼
今、欧州の何処か、地図にさえ記されぬ、
『……………………』
天使か、天女か、あるいは女神か――薄布を纏った眩いばかりの美女がただ一人、何も語らず座り込み。
ぴくり、ほんの一瞬、細い金色の眉を動かしたかと思えば。
『……………………フッ』
ただ一瞬、微笑を浮かべ―――再び沈黙し、レジ袋を抱き、
▼ ▼ ▼
今、確かに、まだ見ぬ世界中の
天頂にすら到達せし、サッカー選手(袋詰めする方)たちが。
栄海奈子の―――
――未来の《サッカーの女王》の息吹を、感じ取ったのかもしれない――!
※ここで出てきたコイツらは物語が続いたとしても、再登場するとは限りません。
新登場人物を豪快にブン投げる快感、たまんないね。青いよね……空がさ……。
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