第14話 鑑定のスクロール

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『タクマ・シロキ』

レベル:3

種族:ヒューマン?

職業:フードファイター

『ステイタス』

力:28

耐久:24

器用:19

敏捷:17

精神:23

知力:8

魔力:0

『魔法』

【CP魔法】

『スキル』

【CP獲得・変換】【頑丈な胃袋】【強靭な顎】【悪食】

『称号』

【ミリアナの使徒】

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「なんでヒューマンにハテナマークがついてるブヒ?」


 レベル3なのは街に来るまでに戦ったからかな?

 異世界にもフードファイターの職業はあるんだね。

 知力低すぎないかな?

 【頑丈な胃袋】【強靭な顎】【悪食】はフードファイター垂涎の能力だね。

 胃袋は言わずもがな、顎は鍛えて強靭な顎に、悪食は……海外ロケに行ったら必須だよね~。


「これが、正体ブヒ?」


 ミリアナ様の加護の正体。

 【CP獲得・変換】【CP魔法】が怪しいんじゃないかな。

 CP……カロリーポイント?


「お!?」


>>>保有CP値:7700


 カロリーポイントでいいみたい。

 理屈はわからないけど、食べることで獲得できるみたいだ。

 ひょっとしてフードファイターの職業があればだれでも持っている能力だったりして?


「でもよかったブヒ~」


 これなら得意分野だ。

 きつくてつらい修業は絶対無理。

 でも食べることなら誰にも負けない。

 天職ブヒ!


「ミリアナ様の願いも叶えられるかも~?」


 それにはまずエルフを探さないとね。


「ぶひ、ぶひ、ぶひひ~~♪」


 楽しくなってきたよ~♪

 俺は足取り軽く街中を散歩する。

 資金もあるので気軽に露店で買って食べ歩きをする。

 どんどんCPを溜めていく。


「お~い、兄ちゃん景気がいいじゃないか!」


「あっ、バンダナおじさん!」


「おじさんって……」


 あれ、おじさんじゃないのか!?

 褐色肌だしホリが深いしバンダナで隠しているからよくわからない。

 外人さんの年齢ほど難しいものはないよね。

 日本人は若く見られがちなのを考えると、こっちからみたら老けて見えるのもしかたないのか?


「ま、まぁいいさぁ。 実際年上ではあると思うしなぁ、ただ! ……まだおじさんと呼ばれる年齢じゃぁねぇぞ?」


 カラカラと笑うバンダナおじさんは冗談めかして言ってきた。

 

「しかし、景気が良さそうだなぁ? どうだ、コイツを買っていかないか!」


 ドンッ!と木箱の上に乗せられたのは大きな斧だった。

 それは片手で扱うような木こり斧ではなくて(そもそも普通の人は木こり斧は両手で使う)、本格的な両手斧であった。

 刃は片方が丸みを帯びて、反対側は刺突型。

 持ちての部分も柄部分も金属製のようだ。

 持ちてから刃の部分に向けて装飾が施されていてカッコイイ。

 どうみても素人が使うような武器ではないが、メッテジを倒した話しで玄人だと思われているのだろうか?


「こいつはなぁ、じつは魔剣でな? もの凄い攻撃力を秘めてるのさ!」


「な、なんだってぇーーブヒ!?」


「そう、そんな伝説の魔剣を今ならなんとっ、50万ギルでどうだッッ!!」


 ノリノリのバンダナおじさんが手を平にして50万ギルと言い放つ。

 正直あぶく銭で90万ギル稼いだのでそれがどのくらいの価値なのかよくわかんないから困る。


「お、お買い得ブヒ?」


「おうよ!」


「買ったブヒ!!」


 サムズアップするバンダナおじさんに俺は買う意思を伝えた。

 そうするとなぜか驚かれ、周りからはクスクスと笑い声が漏れた。


「……おまえさんなぁ、いくらなんでも値切れ。 それに性能を確かめるとか、ほんとうに魔剣か調べろよぉ……?」


 商人が呆れるほどにダメダメな買い物の仕方だったらしい。


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