12月23日 アニメーションのオリジナルキャラ (第七部 アニメーション版について)
「ラスカル」の原作とアニメーションとの一番の違いは、女友達アリスとその家族の存在ですよね。
この家族の登場については、人により好き嫌いが分かれると思います。
私は、実は原作の方がスッキリしていいかなと思っています。こちらが実話という思いもありますね。
それに、遊び相手の少ない少年だからこそ(オスカーは家の仕事の手伝いで忙しかったので)アライグマの赤ちゃんが側にいる事で、毎日が薔薇色に変わっていく……というのにリアリティーがあるからです。
アニメの方は途中から友達とワイワイという感じで、原作の感じとは違っています。
ただ、アニメの賑やかさ、スターリングが孤独じゃない感じには、ほっとさせられるんですよね。
それに三ヶ月位ならいいのですが、一年間の放送となると、登場人物や出来事を増やさない事には話が続きませんからね。(^_^;)
そして伝統的に世界名作劇場では主人公がペットを飼っている確率と異性の友達がいる確率が高いみたいです。
アリスの設定については、実際のスターリング・ノースの結婚相手を参考にしたんじゃないかなぁと想像しています。
スターリング・ノースは、シカゴの大学へ行った後、故郷のハイスクール時代の同級生と結婚しています。おそらくは初恋の相手なのでしょう。このエピソードは、いかにもこの物語の主人公らしく、爽やかですね。家族写真が、スターリング・ノース記念館のサイトに出ているのですが、歳を重ねていってもずっと仲の良いカップルだったみたいです。
この話を参考に、ハイスクール時代のスターリングを想像し、十一才の頃の友達としてアリスを登場させたんじゃないか……というのが私の勝手な推測です。
アリスの姉のフローラについては、この物語を華やかにする役回りですね。この役回りは、二番目のお姉さんのジェシカでもいいのですが、都会の大学院に行っていて、クリスマスしか帰って来ていないので、無理でした。
あと、アリスのおばあさんのクラリッサさん、こちらは好奇心旺盛で元気いっぱいなおばあちゃんで、この話の中では大活躍のコメディエンヌですね。
元々、原作では、都会へ行ったスターリングの姉達は別として、女性達が家を守っている、穏やかで重厚で辛抱強い存在という印象でした。それがこの時代の人の荷物の重さなんだなぁとか、先に書いたスターリングとリリー叔母さんのやり取りに切なさを感じたりしていました。
もしかしたらアニメ版のスタッフはそれも考え、言いたい放題のクラリッサを登場させた…というのは考えすぎでしょうか。
そう言えば。スターリングには息子と娘が一人ずついるのですが、娘さんは父の跡を継ぐように、童話作家になりました。今は八十代ですがまるで童話に出てくる妖精のように可愛いおばあちゃんです。少しアニメのクラリッサさんを思い起こさせます。偶然なんでしょうかね。
アニメ版は、原作に比べ、光と影の光の部分が多い気がします。
あと、もう一人。アリスの家族ではありませんが、コンウェイさんの娘のマーサという女の子がアニメでは登場します。私はこの女の子が、大好きです。
コンウェイさんというのは、ドニーブルックという馬の持ち主で、車と競争をした、こちらは実在の人物です。
このコンウェイさんの子どもをアニメで登場させたのは、とても興味深いです。
なぜなら、スターリングとお父さんが車で旅行に出かける前に、お父さんはスターリングに「ハウザー(セント・バーナード犬)と農園の世話は、コンウェイさんの子ども達におまえから頼みなさい」と言っているからです。
コンウェイさんの馬とも仲良しなのに、ここでしか子ども達が登場しないのが謎でした。しかもお父さんは、相変わらず気安く、責任の重い仕事を、他所の子に頼もうとしているしですね……。(^_^;)
アニメの製作をする前に、スタッフが現地で色々と下見して、地域の人達にインタビューもしたようです。その時にもしかしたらコンウェイさんの子どもがいて(もう大人ですが)、「私、昔、スターリングお兄ちゃんに遊んでもらってたんですよー」なんて会話があった説、どうでしょうか?
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