12月15日   カウンティフェアとアイリッシュピクニック(第五部 物語と様々な行事)

 夏の終わりから初秋にかけて、北米の各地でカウンティフェアというお祭りが行われます。映画等で移動遊園地の様子をご覧になった方もいると思います。

 少しレトロなメリーゴーランドとか、観覧車とか。夕暮れに染まる移動遊園地の画像を見るのが大好きです。 

 カウンティフェアでは、品評会も行っています。巨大なカボチャを作った人が表彰されたりする様子は、海外ニュースで取り上げられますね。「大きさだけでいいの?」という気もするのですが。(^_^;)


 スターリングの住む地域では、カウンティフェアと一緒にアイリッシュピクニックという行事も行われます。

 別にアイルランドからの移民が多い地域というわけでなく、馬主の有力者にアイルランド人が多かっただけみたいです。やっぱりそういうものなんですね。(^_^;)


 お父さんが二週間も仕事で家を開けていて、本当なら独りぼっちでお祭り会場を回らなくてはいけなかったスターリングです。でもその年はアライグマのラスカルがいます!

 一緒にメリーゴーランドに乗ったり、観覧車に乗ったりして楽しみます。確かにこういう乗り物に子ども一人で乗るのは、寂しいものがありますよね。ラスカルがいて良かったです。自転車と言い、乗り物に乗るのがラスカルは大好きのようです。


 このお祭りの様子は、アニメでもありましたね。


 そして、ブルーベリーパイの早食い競争にラスカルと参加し、一番に食べ切ったのです。ところが動物との参加は違反行為とされてしまい、優勝は取り消されるのでした。ここにもスラミーがいて「インチキ野郎」なんて罵声を浴びせかけます。

 それでも友達のオスカーが振り替え優勝したので、喜ぶスターリングでした。


 ここでは、お祭りを楽しみながらも、馬の荷重競争に心が痛む心情について書かれています。

 荷重競争とは、重い荷物を運んだ馬が競争するという競技で、所有の馬の価値を競い合う意味合いなのでしょう。今であれば、動物虐待と言われそうです。

 虐待か、家畜として当然なのか、当時は意見が分かれるまでもいかなかったのかもしれません。

 でもスターリングの心にはいつも動物は友達として付き合いたい、服従させたくないというしっかりとした思いが、はっきりと形作られていたのです。

 アライグマを飼うまでのペットも、一家で飼っているセント・バーナードを別とすれば、カラス、スカンク、ウッドチャックと野生の動物ばかりで、言う事を黙って聞くような連中じゃなかったのですよ。近所の人からも「今度はアライグマか!」とあきれられていました。




 カウンターフェアと言えば、同じスターリング・ノース作の小説をディズニーが映画化した「わが心にかくも愛しき」という映画があり、カウンターフェアが重要な役割を果たしています。落ちこぼれのやんちゃな羊の出て来るお話。以前は動画で一部を見る事が出来たのですが、今はどうでしょうか。

 ディズニーランドでは、翌年の干支にちなんだ動物のキャラクターグッズを販売するものなのですが、未年の前には、この映画のメインキャラの羊、ダニーが話題に取り上げられていましたよ。

 落ちこぼれの羊が活躍する物語というだけで、作者の動物への愛情が感じられまずね。


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