第4話頭痛

 Yくんは家にかえるため歩いていた。

あたりが暗くなってきたのでかけ足になった。

いつもの公園までくると急にあたまがいたくなった。

治らないので暫くしゃがみこんでいたがそのまま気をうしなって倒れた。


ふとみるとあたりは真っ暗だった。目がなれてくると広い部屋みたいなところにいた。ピカピカ光る機械やピッピッと音が鳴る通信器みたいなものがいっぱいあった。

ヘルメットをかぶったひとがいた。頭にはとがったアンテナのようなものを付けていた。服は化学繊維で全身にぴったりしていた。

みるからに宇宙人らし3人はいそがしくうごきまわっていた。

そのなかのひとりが気がついた。


「タレカ?」

彼らの発声音はAIのロボットに似ていた。

「オマエヲチキュウシントカクニンスル」

にごりの語の発声音はうまくききとれない。

「そうです」

「ココヘキタリユウヲノヘヨ」

「まよいました」

「コレカライウコトヲタレニモハナサナイトヤクソクスルカ」

「・・・」

「マモレハコノママカイホウスル」

しばらくするとこちらが怪しい者ではないとわかるといろいろ話してきた。

「イマノチキュウハコワレテイル」

よくようのない声でいうのでかえってこわかった。

「イツモムヨウノアラソイヲシテイル」

感情はないが気持ちがこもっているように聞こえた。

「タカラホロホソウトシテイル」

たまりかねたYくんはいった、

「そんなきちがいは1部の人だ。大部分の地球人は平和を願っている」

「ソウカナ」

地球を滅ぼそうという彼らの星の目標とはまったくちがった意見だったのでとまどっているようだった。

「すくなくともぼくの家族は世界のひととなかよくしようとしている。だから地球をなくすなんてぜったいにやめてほしい」

「ウーン」本部と交信しているようだった。

「ぼくたちはもういちど世界のひとびとと話し合うよう努力する」

「ソレホトイウナラリョウカイシタ。コノママカエル」


目がさめると病院だった。父も母も兄や姉まで心配顔だ。

ぼくが宇宙人をせっとくして地球を守ったたんだよ。

あれあれこの子はまだ夢からさめていないよ、と母がいうとみんなが笑った。



           (了)

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