第19話
自分が友美に触れるよりも、こういう方がいいかと判断したのだけれど間違いだったかもしれない。
友美の体は宏に見つめられているという事実でどんどん熱をおびえていく。
かがみこめば見えてしまう下半身の茂みの奥からは、今にも透明な液体が流れ出してしまいそうだ。
友美は自分が野生に戻ったような感覚になりながら部屋の中を闊歩した。
最初は恥ずかしさがあったものの、次第に宏を、モニター越しに見ている人たちを挑発するように腰を振り、お尻を高く突き上げる。
みんなが見ているという恥ずかしさはいつの間にか掻き消えて、見てほしいという欲求が生まれてくる。
こんなこと初めてだった。
宏と同行して他社の社長と会ったときのことを思い出す。
その社長は女好きで有名で、必ず誰かひとり女性を連れていかないと、すぐに不機嫌になるという噂だった。
果たしてその噂は本当だった。
頭のはげた中年社長は宏との会話よりも友美を見つめることに忙しかった。
スーツの上から体中をまさぐられているような不快感を覚えながらも、友美は必死で笑顔を浮かべて対応する。
自分が頑張れば宏の役に立つことができる。
友美の頭にはそれしかなかった。
そして帰り際、社長が友美たちと同じエレベーターに乗り込んできたとき、社長の手が友美のお尻に伸びてきたのだ。
咄嗟のことで反応ができなかった。
こんな密室で、しかも宏の目の前で手を出してくるなんて。
今までもこういう卑劣な男はいたけれど、相手はこれから取引を開始する会社の社長だ。
友美の体は固まってしまい、思考回路は停止した。
ただ不快が感触が体中をかけめぐり、吐き気を感じた。
どうしよう。
どうすればいいんだろう。
拒否したくてもできない状況に友美は下唇をかみ締めてうつむく。
とにかく早くエレベーターが1階に到着してほしかった。
そうすればこの中年社長から離れることができる。
それまでの我慢だから……。
自分にそう言い聞かせたときだった。
「御社のような会社とは、取引いたしかねますね」
宏がそう言ったかと思うと、社長の腕を片手でひねり上げていたのだ。
今まで友美のお尻をいやらしく触っていた手は小刻みに震えている。
「いててててっ! な、なにをするんだ君は!」
腕をひねられたまま顔を真っ赤にして抗議する。
「あなたこそなにをしているんです? 大切な秘書に触れていいなんて、誰がいいましたか?」
宏は見たこともないくらい冷酷で、恐ろしい表情を中年社長へ向けた。
その声色も低く、今にも襲い掛かってしまいそうだった。
その威圧感にひるんだ中年社長は青ざめて黙り込んでしまった。
「さぁ、いきましょう保川さん」
エレベーターが1階に到着して、宏は友美の手をしっかりと握り締めて歩き出したのだった。
宏との思い出がよみがえってきて、少し油断をしていたみたいだ。
ツーッと太ももになにかが伝い落ちていった感覚があり、友美は動きを止めた。
確認してみると茂みの中から透明で粘り気のある液体が溢れてしまっている。
慌てて指先でそれをぬぐおうとしたとき、宏が近づいてきた。
宏は顔を赤らめ友美をさっきまでと同じ四つんばいに格好にさせた。
そして後ろに回ると友美の太ももに流れた液を舌でなめ取ったのだ。
急に訪れた快楽に友美は声を上げ、体をはねさせる。
太ももに感じる宏の舌の熱。
唾液のベタつき。
ぬるぬると絡み合う液は友美のものか宏のものかわからなくなる。
友美はビクビクと体をはねさせ、粘り気のある液体は次々をあふれ出していったのだった。
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