海の世界
「
深い森の向こうに広がる巨大な
『今日もお
水で出来た女の内側から
「ありがとうございます、主様! はい、がんばりました!」
『良い子ですね。これで今日も時間が
主様と呼ばれた
「主様……、なぜこちらから打って出ないのですか? こんなに
『フィーネ。私は子供達が
「それは……分かっているのですが……」
この世界が
フィーネはその心配を、しかし彼女が信じる神に
『フィーネ、貴女は私の
彼女の神はそんな心を
『この世界は美しいわ。私の大事な
神と呼ばれる存在として、当然のことをしているのだろう。フィーネはただ
「……主様は、いなくなってしまわないで下さいね」
『私は大丈夫。この世界、いいえ、この次元すべての水の中に私は生きている。本体に死の
「それでも……」
使い
「……それでも、いや、です。主様は、私の全てなんです。そういうふうに生きろと私を生ませたのは、主様じゃないですか……!」
そう、彼女はフィーネの父親であり、神であり、
水の巫女は代々、この神の作品だ。
フィーネももう少し大人になったら、この神との間に子を
そしてその子を次代の巫女として、
彼女にとってそれは、そういうものでしかなかった。
何をおかしいと感じることもなく。
彼女の世界には、彼女と主しかいなかった。
そう育てたはずの主は、
『……フィーネ。貴女はまだ、この湖と神殿の中しか世界を知りません。貴女はこれから水の剣の主として、彼らと共に旅をする……。そうすればきっと、今のような言葉は口に出来なくなるでしょう』
「他にも大事なものが出来る……ということですか?」
『そうです。私は、フィーネが旅に出て、成長して生き方を変えたとしても、その貴女を
自身の神にそう言われて、フィーネはそういうものかとすんなり
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