1、 フィンランドという国
フィンランドという国の印象は『ムーミン』。
初めて観たのは幼稚園のときで、『ムーミン谷の水星』という長編のアニメを何度も何度も見た覚えがある。
母がムーミン好きということもあり、我が家にはムーミンたちのグッズも多く、てっきり彼らはドラえもんのように日本で古くから愛されてきたアニメのキャラクターなのだと思っていた。
絵本から始まり、児童書、文庫版の小説を読むようになった頃、ムーミンは『トロール』という妖精なのだと知り、驚いた。
ずっとカバだと思っていた。
(ごめんね、ムーミン)
ムーミンたちは日本のキャラクターではなく、フィンランドという国からやってきたものだと知った。
フィンランドとはなんだろう?
次の疑問だ。
想像したこともなかった国。
調べて見つけたのは、サウナ、オーロラ、そしてサンタクロース。
え? サウナは海外にもあるの?
サンタクロースは架空の人物じゃないの?
そういえば昔、海外にいるサンタクロースから手紙が届いたことがあったことを思い出す。
なぜこんなに日本語がうまいのだろう?
なぜ住所を知ってるのだろう?
疑問でいっぱいだった。
ちょうどフィンランドに行っていたおばが帰国をしたあとだったため、彼女が送ってくれたものだと知るのはもう少し大きくなってから。
当時は不思議で仕方がなかった。
未知の世界に溢れていた。
大学時代にひとりでも海外へ行けるようになる。
どれだけ海外旅行を繰り返すようになってもフィンランドへ行くことはなかった。
理由は、ひとつ。
観光プランに必ず『自由行動』と書かれていたからだ。
ノープランってこと?
どうせならバスで観光地まで連れて行って欲しかった。
初めて訪れたフィンランドは、なんてひとりでも観光しやすい街なのだろうと感動したものだけど、学生時代のわたしは遺跡や歴史的建造物など、海外で観光した!というインパクトのあるツアーばかりを好んでいて、選択肢に『自由行動』はなかった。
フィンランドとは『日本から出国し、乗継で少し待つ国』という認識だった。
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