12、ブルーベリー再び

 夜、眠るまでガイドブックを眺めていた。


 思ったより心が弾んでいた。


 なんて楽しい国なんだろう。


 歩いただけなのに、この国がとても好きになっていた。


 不思議なことや知らないことも本当に多い。今から調べていたら全然間に合わない。


 全然三日間じゃたりない!などと嘆きつつ、その日は良い気持ちで眠りにつき、翌日は最高の目覚めを経験した。


 朝ご飯は一階にあるレストランでビュフェ形式。


 日本にいたときのせっかちな生活の延長戦なのか、わたしは二日目もみっちり予定を立てた。二日目と三日目の一日自由時間ですべてを詰め込む気持ちでいっぱいだった。


 朝ご飯は人と重なるのも嫌だったし、できるだけ早めにレストランへ向かった。


 そこで目にしたものは、数多く並ぶパンやヨーグルト、シリアル、野菜など、海外の朝食らしい食べ物がずらっと並んでいて見ていて楽しい。


 そして、奥に並ぶ、べ、ベリーの数々。


 えっ。


 えええええええええ!


 なんて、なんて量なの?


 思わず笑ってしまいそうになった。


 昨日からやけにベリーと出会う。


 あとから調べたら、冬のフィンランドは日照時間が短いため、ミネラル不足に伴い、ベリーをしっかり補給しているそうです。


 そういえば、冬場日照時間の短いデンマークに住む相棒から聞いた話で、転勤すると鬱になる人が多く、その国の人たちはビタミンDを飲んでいる人が多いのだと聞いたことがある。


 そのくらい太陽の光って大切なのだなと改めて感じた。


 その分、夏のヘルシンキはとっても日の出ている時間も長く、ああ暑い日焼けしちゃう、となかなか外へ出なかっまわたしと違って芝生に寝っころがって日向ぼっこをしていた人が多かったものだ。

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