3、日本から一番近いヨーロッパ
フィンランドは日本から一番近いヨーロッパだとわたしは思っている。
朝早くに出発し、中の日を目一杯遊んで、最終日もぎりぎりまで遊んでから帰国できるもっとも時間を有効活用して過ごせる最高の国だ。
フライト時間は約十時間ほど。
東京や大阪はもちろん、名古屋や福岡からも直行便が飛んでいる。
ああ、そういえばかつて『経由のため少し待つ国』なんて思っていたな、なんて思い出したものだ。
朝早くに出発したわたしは、恐ろしいほど重いスーツケースを引き、空港に到着。
この夢と希望の詰まった重すぎるスーツケース(23キロはあった)についてはのちほどお話します。
事前学習をしておこうとフィンランドが舞台である『かもめ食堂』の本を持参したし、ガイドブックのめぼしいところもチェックしようと思っていた。
それでも時間はたくさんあるだろうから、暇になったら機内の映画を楽しめばいい。
内心楽しみにしていた。
それなのにわたしときたら出国と同時にぐっすり深く眠ってしまい、目が覚めるころにはいつの間にか機内食すらもきれいに片づけられていた。
パンだけが残されていて、それをむしゃむしゃとかじる。
ペーパーナプキンがマリメッコだったから妹にあげようと丁寧にカバンに詰め、やっぱりまた夢の世界へ戻ることとなる。
わたしの自慢はどこでも寝られることだけど、こんなに眠り続けることになるとは思わず、フィンランドへ到着直前のアナウンスで目覚めたころ、すっかり体は硬直し、あちこちが痛くなっていた。
全然事前学習ができなかったな、といささか焦りを覚え、着陸を待つことになる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます