エピローグ 哲也End
「ば、馬鹿っ!?俺がすると言ったろ?」
「これ位平気だって…」
「良いからっ!俺が全部やるから星奈は大人しく座っとけってっ」
「哲っちゃんは心配症過ぎなんだって…」
「いやいや…世の中の男はみんな嫁さんが妊娠したらこうなるだろ!?しかももう予定日を過ぎているだろっ!?」
「…みんなじゃないと思うよ?それにトイレ位はみんな歩いて行くんだから、わざわざオマルは持ってこないでっ!?そんな事するの哲っちゃんだけだよ!?」
「お、俺は心配して…」
落ち込む哲っちゃんは可愛い。そう、ボクは女性になりたいと心から思ったんだ。哲っちゃんと一つになりたいって……。
女性の姿の時に哲っちゃんに告白。その日は高校の卒業式だった。かなり時間が掛かってしまったけどね。
そしてその日のうちに深い男女の関係になって…凄く痛かったけど幸せだった。好きな人と一つになる事がどれだけ幸せかを知った感じ。
まあ、お互い初めてだったし、色々不備もあってその時のが命中しててデキてたってわけ。後から聞いた話ではゴムよりピルの方が避妊出来る確率は高いんだって聞いた。
大好きな人の子供を授かれたんだからそこら辺は別にいいんだけどね。豆知識って奴だね。
トイレに行ってリビングに戻って来るとふと哲っちゃんがこんな事を聞いてきた。
「…あんまり早く妊娠して…結婚して…後悔はしてないか、星奈?」
「する訳ないでしょ?」
十八だからそんなに早くないでしょうに。んっ?今の時代は早いんだっけ?それもまあ、別に気にしてないけど。
「即答かよ」
「当たり前でしょっ?ボクは哲っちゃんが大好きだから」
「星奈…」
「あっ…違った」
「…へっ?」
「哲っちゃんを愛してるから」
「せっ…星奈ーっ」
「ちょっ…そんなに泣いて喜ばなくても」
「へっ…仕方ないだろ?嬉しいんだから…それにしても…こんなに星奈を抱きたいっていうのに出来ないのがな…」
「また、口と手でしてあげるから」
「ば、馬鹿…嬉しいけど…今の星奈にそんな事させる位なら自分で発散するわっ!」
そんな事を言いながら二人笑い合っていると…痛みがはしる…。
「てっ…哲っちゃん…」
「んっ?だから自分で出せるって…」
「違っ…陣痛…陣痛が…」
「はぁっ!?マジか…!?すぐに車の準備するからっ!」
「…う、うん、お願い」
哲っちゃんと…この子とボクの3人で…ボク達は幸せな家庭を築いていけるんだなぁと思いと痛みに耐えながら病院へと向かった。
さぁ、その為にも頑張ってこの子を産まないとね?哲っちゃん…これからもボクを支えてね?ボクも支えるからね?
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