エピローグ 優愛End
あれからみっちゃんにアドバイスを受けた通り、ボクは自分の心にずっと問い掛け続けたんだ。男性でありたいのか、それとも女性でありたいのか…。
優愛ちゃん、哲っちゃん。どちらと想いを繋げたいのかを…。
時間が掛かってしまったけど、ようやくボクは俺になりたいと優愛ちゃんと居たいと心からそう思ったんだ。
その日のうちに想いを優愛ちゃんに告げた。奇しくもその日は男性の姿。
そしてそれ以来…女性の姿になる事はなかった。
「星奈君…ほら、ネクタイ、ここが曲がってるよ?直してあげる♪」
「ありがとう」
優愛が僕のネクタイを整えてくれる。告白してからというもの、優愛は僕の部屋で一緒に暮らす事になった。まあ、優愛の家は隣だし、恋人になったんなら一緒に住めばいいんじゃない?という、お互いの親同士の勧めもあってそうなった。
「何か考え事?」
「優愛が傍に居てくれるから幸せだって思ってたところ」
「も、もう…せ、星奈君ったら…わ、私も幸せだよ? 大好き♡」
そんな風に言ってくれる可愛いお嫁さんを見ていると無性に唇を重ねたくなり、何度もキスを優愛の唇に落としていく。
「んっ…ちゅっ…ちゅっ…」
「…優愛」
「星奈…きゅん…」
唇が離れるとお互いに見つめ合う。そして…
「そ、それじゃあ…行ってき―」
「…しよう?」
優愛がとんでもない事を言い出した。時間もないというのに…。まあ、そんな時にキスする僕も僕なんだけどね…。行って来ますのキスは軽く一回にしとかないとお互い歯止めが効かなくなるね。
それに優愛と深く繋がりたいのは僕も同じなんだけど…。
「…時間もないし、それはまだ駄目」
「も、もう安定期に入ったし、い、一ヶ月以上も星奈君とエッチしてないんだよ!?お願い、先っちょっ!先っちょっだけでいいからっ」
「それどう考えても男の僕のセリフだよね?」
高校を卒業してすぐに僕と優愛は籍を入れた。勿論ちゃんと結婚式も挙げた。それはもう盛大に。
―で、その後すぐに優愛の妊娠が発覚。計算したところ、初夜で優愛が妊娠した事が分かった。そんな一児の父となる僕の仕事はというと以前と同じ様に芸能に身を置いている。勿論配信もしてるし、優愛と夫婦揃っての配信もしている。結婚した事、男性になった事でファンが減るかなと心配もしたけど全く問題はなかった。逆にもっとラブラブしているところを見せてと言われる位だ。
「こ、こらっ!履いたズボンを脱がそうとしないでっ!?流石にもう行かないとドラマの制作発表に間に合わないからっ!?じゃあ、今日帰って来たらするからっ!」
「わ、分かった…今は我慢するね?」
「も、勿論。激しくは駄目だからね?」
いつの間にか脱がされかけたズボンを直し、家を出る。
家を出る間際…
「気をつけて行ってらっしゃい!」
「行ってきます!」
とびっきりの笑顔でそう言う優愛にそう答えて僕は家を後にした。これからも色んな事があると思うけど…僕と優愛ならずっと幸せな家庭を維持していけるだろう。
うん。僕は幸せだ。
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