第12話えっと…
いつもとは違う寝起き。携帯の電源を入れて時間を確認するとまだ朝の4時を過ぎたばっかりだった。意識がハッキリしてくると何だか異様にお股が気色悪い…。生理の血が多く出た時に似ているけど…。上半身を起こして下に視線を向けると胸が膨らんでいるのが目に入った。今日のボクはどうやら女性の姿のようだ。
リモコンで部屋の灯りをつけ、ベッドから起き上がり寝巻きのズボンとともに男性用ブリーフと素肌の間に両手の親指を指し込んで掴み…前に広げてその中を確認してみる。するとブリーフに白いネバネバしたものが付着しているのを目にする…。
ボクは見なかった事にしてズボンと下着を掴んでいた手を離し元に戻す。ヌチャヌチャして気色悪いが仕方ない…。
って、そんなわけにはいかないよねっ!?
「こ、これって…昨日…男性が…あわわわわっ…両親に言いに行く?で、でも…何だか恥ずかしいし、昨日の事は言ったらいけない気がするし…。そ、そうだ!てっ、哲っちゃんに電話!? で、でも、今日は女の姿だから…優愛ちゃん?」
朝の4時だけどなりふり構っている場合じゃないよね?何だかそんな気がして優愛ちゃんに電話をする事にボクはしたんだ。
“プルルルッ…プルルルッ…プルルルッ”
お願い、出て!優愛ちゃん…。
「…は、い…どう…った…の?」
「優愛ちゃん?」
「えへへ…大好きな…星奈君の声だ…」
「寝ぼけてる場合じゃないよっ!優愛ちゃん!」
「…えっ?夢じゃない?」
「お願いだよ!優愛ちゃん!渡してる合鍵を使って今直ぐボクの部屋に来てっ!」
「!? わ、分かったよ!い、今直ぐ行くからっ!ちょっと待ってて!」
(いつもの星奈君じゃない!何かあったんだ)
電話が切れた後、ボクはベッドに腰掛けて優愛ちゃんを待つ事に。暫くすると部屋の前に人の気配が…。静かにボクの部屋のドアが開き…優愛ちゃんが来てくれた。優愛ちゃんは部屋のドアを静かに閉めるとベッドに腰掛けるボクの横に座った。
「今日は星奈ちゃんだね!久し振りに女性の姿を見た気がするよ…。って、そんな場合じゃあ無かったね!?どうしたの、こんな時間に…んっ? すんすん…いつもの星奈ちゃんの部屋とは違う…なんだか嗅いだ事のない匂いもするし…ホント、何があったの?」
「優愛ちゃんしか頼れる相手いなくて…コレを見てくれる?」
「えっ…うん、任せて」
ボクは意を決してその場に立ち上がりズボンと下着を一気に足首迄下ろし…た、ところで優愛ちゃんは素早くベッド脇に置いてあるテッシュの箱を手に取り…
「もしかして…血が漏れちゃった?とりあえず拭いてあげるね?全くそんなの気にしないでいいの………………にっ!?!?!?」
「せ、生理じゃあなくて…」
「ここここここここここここっ、これって…」
「うん…精通って奴で…」
「しぇしぇしぇ、しぇいつう!?じゃじゃじゃ、じゃあ…これは…まさか…星奈きゅんのっ…!?」
「そ、そうなんだ。哲っちゃんに最初は相談しようかと思ったんだけど、今日は女性の姿だったから…」
「ててて、哲也は駄目に決まってるけど…にゃんでこんな急に…」
(き、聞いた話じゃあ…これって何か興奮した時とかになるって聞いてたのに…)
「そ、それは…」
「言って?」
その時の優愛ちゃんは顔は笑ってるんだけど、有無を言わせない表情をしていて…
ボクは洗いざらい何があったのかを優愛ちゃんに処理してもらいながら話す事に…。
全てを話し終えると…
「…じゃあ…そういうエッチなモノを観て…哲也の馬鹿とそういう事をするのを考えたんだね?」
「あ、はい」
「ふ〜ん…目を瞑って?」
「えっ?」
「早く!」
「う、うん。 はい、目を瞑っ…「んっ…」」
唇を重ねられ、あのビデオみたいに舌を絡ませてくる優愛ちゃん…。
暫くして…唇が離れ…唾液の糸が伸びて…きれる…。
「想像して?星奈君の時に私をそのビデオみたいにエッチするところを…」
「優愛…ちゃん?」
「私はずっと星奈君が好きっ!哲也には渡さない!これからは私をしっかりそういう目で見て!」
優愛ちゃんの告白…ボクの性別はこれを機に……。
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