第10話Side哲也
中学3年になって早くも半年が過ぎた。俺と星奈、それに優愛の関係は相変わらずだ。
そんなある日の放課後…。
みんなが次々に帰って行き、静まりかえった教室で俺のダチが3人残っていた。かくいう俺も残っていたので4人が残っていた事になる。
「今日はこの後、俺ん家に集合にしようぜ?なんたって親が居ないからよぉ〜♪」
「マジでっ!?」
「じゃ、じゃあ…ついに、この間お前が兄貴から貰ったって言ってた『風俗行ったら即エッチ』のアダルトを鑑賞…「ば、馬鹿っ!声がデケェーよ!?」…す、すまん。こ、興奮し過ぎてしまった」
「まぁ、気持ちは分かる」
「おいおい…全くお前達は…。受験迄後、半年もないっていうのにアダルトを鑑賞している時間なんて…」
俺はクラスのダチが馬鹿話をしていたのでそれに混ざる事に。打算があるとも言うが。
「じゃあ…哲也は観ないんだな?」
「…観る」
「観るなら言うんじゃねぇーよ!」
「そうだそうだ!」
「ばっ、馬鹿野郎!そんなの観たいに決まっているだろうが!誘ってもらいたくてわざとこうやって言いに来たに決まってるだろ!?」
当たり前だよな?中学生じゃあ中々そういうのは買えないんだよ!?分かるだろ?
「「「いやいや…そこは素直に言えよ」」」
「すんませんした!俺も誘って下さい!」
「最初からそう言えよな?とにかくお菓子を持って集まろうぜ?」
「「「だなっ!」」」
「ねぇねぇ、哲っちゃん達、廊下迄なにやら話している声が聞こえたんだけど…。今日お泊り会がどうのこうのって…。もしするのならボクもたまには誘ってよ?」
「「「「……はっ?」」」」
聞き慣れた声…。声の方に恐る恐る視線を向けるとそこには星奈の姿が…。ちなみに今日は男の姿だ。
「ねぇ〜 ボクも行っていいよね?」
駄目に決まってるだろ!?俺はすぐにそう言おうとして…
「ああ、いいぜ!たまには男同士遊ぼうぜ」
「…だなっ」
「…それもいいかもな」
「お、おい!?お前達何をっ…」
ダチの一人が俺の首根っこを捕まえて教室の窓際へと無理矢理移動させる。チラッっと星奈に視線を向けると残りの二人と何やら楽しく話しているのが見えた。少しイラッと嫉妬していると、
「聞け、哲也」
俺を窓際へと連れて来たダチが小声で話し掛けてきた。
「…何を?」
「さっきお前が言ったように俺達ももうすぐ高校生だ」
「…それが何だ?」
「保健体育でももう既に子供の作り方は習ってるだろ?」
「小6位から少しずつ確かに習ったな…」
「星奈は精通はまだだろ?」
「星奈に精通はいらないだろ!?」
あいつは女でいい。俺の願望だ。
「知識も現実もそろそろ必要だと思わないか?」
「それは…」
た、確かに…。いざそういう雰囲気になった時に1から説明するのを考えると…
「気付いたか?」
「確かにな。だが…」
「それにな…」
「それに?」
「男女の関係を教えないといつまでも前に進めないぞ?」
「っ!?」
「好きなら相手を求めるのは当たり前だろ?」
「…確かに」
俺は少なくともそう思っている。優愛もそうだろう。好きな相手と心も体も繋がりたいと思うのは普通の事だと思う。
「もっと言うなら…星奈は二ヶ月も男の姿だぞ?」
「! そ、そういえばそうだ…」
何だか最近性別が入れ替わる期間が長くなったような…。しかも最近女の星奈を見れていない。
「ここで刺激を与えれば…明日辺り女の姿になってくれるかも知れないぞ?それに溜め込んだらキツイのは分かるだろ?どちらの姿でも発散させないとと思わないのか?」
俺はダチのそんな囁きにそれもそうだと思う。だから、優愛には内緒で星奈も誘ってアダルト上映会をダチの家で開催する事にしたんだ。
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