第9話優愛ちゃんの家で…

「さあ、明日は学校は休みだし、今日は女子会だよ、聖奈ちゃん♪」


「ええ〜と、うん」


「いいわね、お母さんも若い頃はそうやって女の子の友達と過ごしたもんよ…懐かしいわぁ」


「そうなの、お母さん?」

「そうなんですか、おばさん?」


 体が女の子の時はよく優愛ちゃんの家に呼ばれるんだ。次の日が学校が休みの時なんかは決まって女子会するよと優愛ちゃんはいつも言っているんだ…。


 だからお呼ばれしてるんだけど…


「そりゃあ、そうよ。やっぱり集まって話したい事とかあるじゃない?例えば好きな男子の事とか…」


「ぶっ…す、好きな男子!?」


 そういえば優愛ちゃんは好きな人が居るんだったっけ?


「優愛は何をそんなに驚いているのかしら…その調子ではまだ全然関係を進められていないんでしょ?」


「にゃ…!?にゃにを言ってるのかにゃ、お母さんは?」


「優愛ちゃんのネコ語可愛いね?」


「くすくす…本当ね、聖奈ちゃん」


「…ふ、2人共…その温かい眼差しで見るのはヤメて?」


「お父さんは優愛は優愛らしくていいと思うぞ?」


「「女同士のお話に入ってきたら駄目よ、お父さん?」」


「あっ、はい…」


 おじさん…


「そういえば、聖奈ちゃんは気になる人いないの?」


「「えっ?」」


 んっ?何で優愛ちゃん迄気の抜けた声出してるの?


「え〜と、気になる人…ですか?」


「そうそう…」


「ちょっ、ちょっとお母さん!?」


「いいからいいから…で、どうなの?こういうのが女子会の醍醐味なのよ?」


 そうなんだ…気になる人気になる人…


「例えば目を瞑って…すぐに思い浮かぶ人は?」


 目を瞑って? ボクは目を瞑り…


「真っ先に思い浮かぶのは…優愛ちゃんと哲っちゃんですけど…」


「ふぇっ〜!?」


「うんうん…イイ感じね」


 何がイイ感じなの、おばさん!?


「そうか…両思いか…」


 おじさん!?ボソッ―っと言われても聞こえないよっ!?


「お父さんは黙っててと言ったでしょっ?」


「あ…うん…」


 優愛ちゃん…おじさんに厳しくない?


「もう、おかしな空気になったからお風呂に一緒に入ろう?」


「そうね、それがいいわ」


「久しぶりに父さんも一緒に…」

「「…お父さん?」」


「じょ、冗談だから…」


 なんか、おじさんが可哀想だね…よし!


「おじさん、良かったらボクと一緒に入ります?」


「マジかっ!?」


「「駄目に決まってるよね、お父さん?」」


「か、軽いジョークだから…」


「ボクはおじさんとなら構わないけど…」

「聖奈ちゃ〜ん…くっ…娘より優しい…」


「駄目だからね、お父さん?聖奈ちゃんは私と入るんだから…邪魔したら二度と口聞かないから…」


「そうそう…娘の邪魔したら…ゆるさないわよ、お父さん?」


「そういうわけで聖奈ちゃんは優愛とゆっくり入ってきてくれ…」

(くっ…久しぶりに現役アイドルとのお風呂が…)

 

「あ、はい。 !  そうだ!これ、おじさんに頼まれていた水着写真集です!」


「あっ、聖奈ちゃん…それは…」


「…お父さん?」

「…あなた?」


 あれ…部屋の温度が下がった様な…


「優愛ちゃんと聖奈ちゃんはゆっくり…そりゃあ〜もう、ゆっくりお風呂に入って来てね?」


「…そうするね、お母さん」

「え〜と…じゃあ…失礼します…」


「ヘルプミィ〜〜〜!?」


 おじさんの何か声が聞こえたけど優愛ちゃんに手を引かれボクはお風呂へと向かった。


 

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今日のボクはどっち!? 美鈴 @toyokun

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