第8話優愛と美千代

「はいはい…早くぜ〜んぶ洗いざらい吐いた吐いた…」


「ぜ、絶対言わない…」


「へ〜 優愛りんはそういう態度とっちゃうのかぁ〜 いいんだね?」


「べべ、別に何もおかしいことは…」


「一人で聖奈君の写真集見ながら致したクセに?」


「あびゃっ!?わわわわ、分かってるなら聞かなくても良いでしょう!?」


「私が聞きたいのは、何で聖奈りんがああいう事を聞いてきたのかという事なんだけど?」


「そ、それは…その、肌がツヤツヤしてるとかそういう話になって…その…」


「なるほどね…それで…二人は言えなかったから私に聞いてきたと?」


「…うん」


「保健体育でも少しは性の授業もあるのに聖奈りんはいまだに自然に出来るとかコウノトリが運んできてくれるとか思ってるみたいだしね…」


「そ、そこがまた…いいんだよ?」


「…よくはないと思うけど…」


「何で?」


「だってそういう雰囲気になった時に男から手を出してもらいたいじゃん?」


「っ〜〜!? そ、それは…」


「そろそろ…そういう写真とか…ビデオとか見せたらいいんじゃない?」


「…見たら聖奈ちゃん…気絶するんじゃないかな?」


「…あり得るね…」


「駄目じゃん!?」


「こうなったら優愛りんが果敢に攻めるとか…いっその事既成事実作っちゃえば良くない?」


「なななな、何言ってんのっ!?」


「お風呂とかはたまに一緒に入ってるんでしょ?」


「そ、そうだけど… !? な、何でみっちゃんが知って…」

「マジかっ!?」

「酷いっ!カマ掛けたのっ!?」

「それも聞いてないんだけどっ!?―っていうかあんた何してんの!?奥手なのかと思ったら進み過ぎてるじゃん!?お風呂に一緒に入ってるなんて聞いてないよっ!?」

「お、女同士の時だけだからっ!?」

「いやいや…」

「聖奈…君とはまだだもん…」

「そういう問題じゃないしょっ!?聖奈りんも大概だけどあんたの方がぶっ飛び過ぎてるよっ!?」


「だ、だって…す、少しでも男になった時に意識してもらいたいもん…」


「考え方がずれてるからね?」


「あぅ〜」


「まあ…とにかく私達ももう中三なんだし、来年は高校じゃん?」


「う、うん」


「この学校には聖奈りんを穢す存在は……幼馴染の二人位だろうけど…」


「私と哲也が穢す前提なのっ!?」


「現在進行系で穢そうとしてたでしょっ?」


「あうあう…それを言われますと…」


「とにかく高校に行ったら新しく出会う人達ばかりだし…今日みたいに誤魔化せないと思うし…いっそ、優愛りんと聖奈りんと哲也の幼馴染コンビでビデオ鑑賞会でもしてみたら?」


「何、その罰ゲームみたいなのはっ!?空気気まず過ぎて地獄だよっ!?せめてそうなるなら聖奈君と…そにょう…二人っきりの方が…」


「欲望に忠実だな、おい…」


「だって…」


「いざ…二人っきりになっても優愛りんは気絶するでしょうに…だからこその哲也でしょっ?」


「か、仮に…」


「ん?」


「聖奈ちゃんが…女性としてそれを体験したいと思ったらどうするのよ?」


「…………考えてなかった…。テヘペロ」


「考えてなかったじゃないよ、みっちゃん!?そうなったら私立ち直れないからね?」


「優愛りん…ベタ惚れ過ぎでしょ…」


「当たり前じゃん…」


「まっ、そしたらもうしばらく聖奈りんには穢れなき天使で居てもらいましょうか」


「んっ」 


「じゃあ、教室に戻るよ、優愛りん!」


「もう、待ってよ、みっちゃん!」



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