第3話体育の時間
今日生理になったボクは体育を休む事にした。体育の時間は昔から大変。主に着替える時の話になるんだけど…
現状として男の時は男子と着替える。女の時は女子と一緒に着替えている。女子は特にボクと一緒に着替えるのは嫌がるんじゃないかと思ってたんだけど、この学校の女子はみんなそんな素振りさえ見せない。それどころかボクが男の時も一緒に着替えようよと誘ってくれる位だ。
「あれっ…優愛ちゃんも体育休むの?」
「うん…先生には星奈ちゃんが生理来たから私もつられて生理が来そうかもって嘘ついちゃったんだけどね…」
「もしかしてボクを気付かってくれた?」
「ふふっ…さぁ…どうだろうね?」
ウインクして見せる優愛ちゃんは本当に可愛い。ボクは叔母の薦めもあって一応アイドル活動というか、芸能界で仕事してるんだけど、ボクなんかよりもよっぽど優愛ちゃんの方が可愛いんじゃないかと思ってしまう…。
「同性なのにボクは今、優愛ちゃんのその仕草にドキドキしたよ?」
「っ!? もう…そういうのは今言わなくてもいいんだからね?」
「いや、だって…」
「そ・れ・よ・り・もっ!」
んっ!?優愛ちゃんのこの表情怒ってる?
「駄目でしょ?女の子の時は言葉や仕草には気を付けないと?」
「うっ…」
「この間だって、体育が終わってから制服に着替える時に女の子だという事忘れて体操服をガバっと脱いで下着姿見られたでしょ?」
「た、確かに…」
「今朝だってそうだよ?」
「今朝?」
「トランクス一枚でウロウロしたら駄目なの!」
「で、でも…あれはほらっ!優愛ちゃんと哲っちゃんだし…」
「哲也が問題なの!」
「もしかして…優愛ちゃんって…哲っちゃんの事が好き…なの?」
「違〜う!断じて違うからっ!あのスケベ哲也に惚れるなんてあり得ないからっ!いいっ!私が好きなのは…」
「こら〜っ!お前等2人!今は授業中だぞっ!静かに見学してろっ!」
「「すいません!!」」
ありゃりゃっ…怒られちった…。そっかぁ…優愛ちゃんは好きな人居るんだねぇ〜。ボクはこんな体だから…
「―そんな事ないからね?」
「―えっ?」
「どうせボクはとか思ってたんでしょ?」
「そこまで分かるの?」
「分かるよ…星奈ちゃんの事だもん」
「優愛ちゃんに隠し事は出来ない気がする…何でも読まれてそうだよ」
「とにかく…そんな風に思わないで?」
「…うん」
「そんな悪い子にはこうしちゃうんだから」
「ちょっ!?優愛ちゃん!?」
後ろに回り込まれて…胸をむんずっ…
「あっ…駄目…駄目だってばっ…」
「ふふっ…星奈ちゃんの事は何だって分かるんだから!こことか…こことかっ!」
「あっ…んんっ…だ、だめぇ〜…」
「ほれっほれっ!ほりゃあっ!」
「ううっ…ゆ…あ…」
「っ!? そ、その表情は…ズルい…よ、星奈ちゃん…」
「そんな事言っても…あっ!?」
「どうしたの…って…あっ!?やっちゃったね?」
「こら!本当にお前等は!」
この後仲良く怒られました…。あれっ?ボク悪くなくないっ!?
「気の所為気の所為!」
「だからそんなに心を読まないで?」
尚、ボク達を見ていた男子全員その場に体育座り…女子もこちらをガン見していたのは後から気付きました…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます