第41話 食べ過ぎにはご用心

アティム大陸・ロマネスコ王国・辺境都市・シールド・屋台通り


屋台通りでの買い食いに満足したソラシスとクウ。


屋台を次々に覗いては、購入して食べて、また購入して食べてを繰り返し…


(流石に…食べ過ぎたな…)


夕暮れ時の街並みを歩きながら、屋台がひしめく屋台通りを、 あちこち見て回り…次から次へと食べ物を購入して、クウと一緒に食べながら、人気の少ない場所に移動して行った。


ソラシスは、屋台でひしめく風景を楽しみながら…

(屋台の食い物は、どれもこれも美味しいな…しかも安いから、ついつい買ってしまうな…)


屋台通りを抜け…お店も徐々に減っていき…


(前世と同じで街灯があるっていいね!だけど数は少ないから暗いけどねぇ~)


夜目に慣れているソラシスには、暗くても問題ないのだが、気分的に明るい方がいいなぁ~と思いながら、今後のプランを考えるのだった。


(どうせ…今回尾行してる奴等をヤッても、次から次へと別のが来そうだな…)

そんな未来のことを思い…うんざりしながらも…屋台で購入した、串焼きを食べていた。


大通りの人の往来が多い場所には、多くの街灯が設置されていて、とても明るく夜でも歩きやすかったのだが、少し裏道に入れば街灯の数も少なく薄暗い道が続くのだった。


薄暗い夜道を歩くソラシスは…


(付いて来てるな…ホントにさぁ~面倒だよね …)


「クウ。屋台メシは美味かったね」

「キュ~♪」

上機嫌に答えるクウ。


「また明日も行こうか」

「キュ~キュ~」

頭を上下に振り同意するクウ。


「それじゃあ…明日の為にも俺たちを陰から覗き見てる変態を退治しようか!」

「キュ!!!」

「クウ!足の一本、腕一本ぐらいなら…捥いでいいぞ!」

「キュ!!!!!!」


ソラシスの言葉に尾行している者達に緊張が走る。



一方その頃…


暗殺対象が移動を開始したぞ!!!


建物に一人の男が入って来て、現状を端的に伝えた。


暗殺ギルドの潜伏先の一つである、この建物には、現在10人の団員が控えていた。


「何人、追跡してるんですか?自分はさっき別の仕事を終えてアジトに戻ったら、ボスにココに行くように命令されたので、状況が…よく分からないすぅ!」


ソファーに寝そべる若い男に、眉をひそめる中堅構成員。


「今、動かせる戦力を全て動員している」

「はぁ!?マジで……?」

「ああ、目標はドラゴンをテイムしている…目標自体も…相当の強さと報告を受けている」

「いやいやいや…そんなヤバい案件を受けるなよ…」

「ボスの命令は絶対だぞ!!!」

若い構成員の愚痴を叱る中堅構成員の男。


「分かったすぅ!」

渋々…同意する若い団員。

「尾行している者達に合流して、暗殺対象を仕留めるぞ!」

周りに控える構成員も無言で頷いた。


そして…。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る