第22話 解体用のナイフを買おう①

アティム大陸・ロマネスコ王国・辺境都市・シールド・武器屋


ゴルドに案内され武器屋に向かうソラシスとクウだが…相変わらず嫌な視線が纏わり付いていたのだ…


(鬱陶しい奴らだな…襲って来たら全員、息子を魔弾で吹き飛ばすぞ…)


インパクトのある一人と一匹の情報はシールドの街を駆け巡っていた。

貴族に商人に裏の組織に他国に…ありとあらゆる所から、ソラシスとクウの情報を求めて、様々な人達が動いていたのだ。


大通りから小道に入って行き…何ヶ所か曲がり…

「ゴルド、こんな所に武器屋なんかあるのか?」

(えらく人通りが少ない場所だな。まぁ、静かでいいか…)


「ああ、表通りにある店は高いんだよな。こっちの裏に店を構えてる、オレたち森の盾の馴染みの店は安くて品質が良いからオススメだぜ。馴染みの冒険者たちも利用しているんだ。田舎から出てきたオレとローズが駆け出し冒険者の頃に、先輩冒険者に教えてもらったんだよ」


「なるほど…冒険者に人気の店なのか?混んでるのは嫌だぞ…」

「この時間帯は空いてるから大丈夫だぁ…あと少しで着く」


そらから数分歩いた所でゴルドが立ち止まり


「ソラシス、ここが武器屋だぜ」

「かなりボロいな…」

ソラシスの目の前には、おんぼろの平屋が建っていた…


「ここ店なのか?看板が無いが…」

(ボロボロだな…まぁ、周囲の建物も全体的にボロボロだから、ここだけ目立つことはないが…この地区は貧乏人が多いのかな…)


「ああ、見た目はボロボロだが店の中は綺麗だぜ」

「マジかよ…」

(嘘だろ…日本だと廃墟レベルだぞ…)


「行くぞ」

引き戸タイプの扉を開け中に入っていくゴルドに戸惑いながら続くソラシス


「おう!オヤジ元気か?」

「ゴルドじゃねえか…無事に森から帰ってこれたみたいだな」


(へぇ~店内はホントに綺麗だな…外の面は廃墟なのにな…それに品揃えも良さそうだな…)


「オヤジ、今回は森の盾のパーティー全員が死ぬところだったが、ソラシスとクウに助けられて全員無事に森から帰還できたんだ…」


店主はゴルドの隣にいる人物に視線を移し…

「ド、ドラゴン!!!」

店主の男は驚きのあまり…固まってしまったのだ。


ゴルドは固まるオヤジをスルーして…

「オヤジ、紹介するぜ…オレたち森の盾の命の恩人のソラシスとクウだぁ!」


ゴルドに紹介されたので、ソラシスは一歩前に出て

「初めまして。空飛ぶ魔法商人になる予定のソラシスと相棒のクウです。ゴルドには、この店は品揃えが良くて武器の品質がいいと聞いています。自分も魔物の狩りをするので解体用のナイフ一本と予備用に一本欲しいと思いゴルドに連れて来てもらいました」



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