第20話 魔物の素材をギルドに売ろう③

アティム大陸・ロマネスコ王国・辺境都市・シールド・冒険者ギルド・二番倉庫


「坊主…あと何体オークを出すんだ…」

「取り敢えず…今回はオークのみで50体分かな…」

ソラシスの言葉に焦るギルド職員たち。

「取り敢えず!?…オーク50体の解体には時間がかかるぞ?」

「ああ、大丈夫だよ。いつ解体が終わる?」

「おう!今日の夜までには解体を終わらせよう…全てギルドの買取りでいいのか?」

何故か気合が入っているオッサン…

「全て買取りで頼むよ。時間かかるって…今日の夜には解体が終わるんだろ?かなり早くないか…」

「素材は鮮度を保ち迅速に適切に解体を行う!」

「なるほど…それじゃ頼むよ」

ソラシスの言葉に頷くオッサン。


「野郎ども!!!他の倉庫で暇してる奴らを攫ってこい!!!」

オッサンの掛け声に五人の職員が勢い良く二番倉庫を飛び出して行った…


(盗賊の頭かよ…迫力あるな…)


「坊主!ギルドカードを出せ!」

「今カードを作ってる最中なんだよ……」


オッサンは倉庫に残ってる一人に向かって

「リック、受付まで全力で走ってドラゴン坊主のカードを貰ってこい!!!」

(ドラゴン坊主って…なんだよ。変なあだ名を付けるなよ…)


「分かりましたー!直ぐに貰ってきます!!!」

オッサンに呼ばれたリック少年は全力で走って行った…


(圧倒的…体育会系なぁ職場だな…しかしオッサンの指示に迅速に動くな…今も残ってる職員にテキパキと指示を出している…)


ソラシスはゴルドと雑談しながら、ソラシスが出したオークの選別をしている職員を眺めていた。職員たちは慣れているのかテキパキと作業をしている。


次々に援軍が現れ…現在は20人で作業をしている。

作業を眺めること数分…汗だくのリック少年が戻ってきた。


「ソラシスさん、これがギルドカードになります」

ソラシスはリックから冒険者カードを受け取る。

「ああ、ありがとう」

「受付のリリーさんが、こちらでの用事が終わり次第、受付まで来てほしいとの事です」

「分かったよ」

リックと話しているとオッサンが…

「リック!!!戻ってくるのが遅いぞぉー!早く作業に入れ!素材は迅速に丁寧に解体!一分一秒も無駄にできん!」

「はい!」

リックは慌てて作業スペースに走って行った…


「坊主!ギルドカードを見せろ!」

ソラシスはオッサンにギルドカードを手渡した…オッサンはカードに記入されている情報を紙に書き込んでいるようだ…


「ほらよ…坊主、これが控えの紙だ。無くすなよ…20時以降に買取りカウンターに来てくれや…」


(時計持ってないんだが…時間どうやって調べるんだろ?後でゴルドに聞くか…)


オッサンから受け取った紙を見るソラシス。


依頼者・ソラシス

ランク・F

責任者・マーズ

オーク・50体


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