第16話 冒険者ギルド②
アティム大陸・ロマネスコ王国・辺境都市・シールド・冒険者ギルド会議室
ソラシスの一言に…じわっと汗が滲むミルクとギルド職員
「も、もちろんのこと…正当なる防衛は認められています…」
「クウも俺も少し他人より目立つようだ…冒険者ギルドに来るまでに…こちらをチラチラ見てくる人達が多かったので……」
(まぁ、九割は初めて見るドラゴンに興味津々って感じだったが……)
ソラシスは…残り一割の目が濁っていた者、ギラついた目をしていた者の顔を思い浮かべていた…無意識に殺気を放ちながら……
会議室に居る面々たちは…恐怖に体を震わせながら汗をダラダラと流していた…
現場の叩き上げで…辺境都市シールドのギルド長に上り詰めたミルクも本能が危険だと察知して警報を鳴らしていた。冒険者には必要な能力である…相手との力量差を瞬時に判断しないと現場では命取りとなるのだから……。
「……規則でSランク以上のモンスターは冒険者ギルド本部と王国に報告する必要があります」
ソラシスを直視できず…チラチラ視線を送りながら話をするギルド長のミルク。
(さっきから…チラチラと…なんなんだ?このオバさんは……俺の顔に何か付いているのか?)
「別に構いませんよ?何かこちらに不利益でもあるんですか?」
「あ、ありません……ただ…冒険者ギルドは問題ないのですが…王国から調査官が派遣される可能性があります…そちらに冒険者ギルドは介入できません。ご理解ください」
(ギルド本部には…貴族が馬鹿な真似をしないように…可能な範囲で対処してもらわねば……)
ギルド長のミルクは額に汗を滲ませながら…ソラシスの発言に答えたのだった。
(まぁ…それは仕方ないかな…伝説のドラゴンが自身の国に居たら気になるわな…)
「了解です。聞きたい事は以上ですか?」
「もう一点…ソラシス殿は古き魔境の森でモンスターのデカい咆哮を聞きませんでしたか?冒険者ギルドに未確認の咆哮が報告されています」
「それならオレたちも聞いたぞ!凄かった……」
ゴルドの発言に頷く森の盾のメンバーたち。
「咆哮を上げたのを聞いたのはオークキングのヤツだけですね…」
「咆哮を聞いた冒険者によると…今までに聞いたことがない魔物の声だったと報告が上がっています。ベテラン冒険者からの報告でオークキングと戦闘経験がある冒険者ですので、オークキングではないですね…」
(そんなにデカい咆哮を上げる魔物がいるのか……興味深いなぁ~クウと調査に行こう~)
クウの撫でながら未知の魔物に期待を膨らませるソラシスであった。
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