第4話 辺境の冒険者 森の盾

アティム大陸・ロマネスコ王国・辺境都市・シールド


ロマネスコ王国で一番の危険地帯と認定されている辺境都市シールド。

辺境で唯一つの都市であり、古き魔境の森から溢れ出す魔物をこの地区で食い止める為にロマネスコ王国が200年前に総兵力20万人(冒険者を含む)を三年間も動員して作り上げた都市である。現在のシールドは人口約100万人を誇るロマネスコ王国第二位の人口を誇る大都市に成長を遂げている。現在も人口は増え続けている。


この地に都市が完成するまでは、古き魔境の森から魔物たちが溢れ出て周辺地域に甚大な被害が出ていたのだった。


辺境都市シールドが位置する場所は高ランクの魔物が数多く生息し古き魔境の森からは度々スタンビードが起き超危険地帯と大陸中に知れ渡っているが、

そんな超危険地帯には大陸中から、種族を問わず多くの者が集まるのだった。


冒険者は名声と金を商人は辺境にしかない品物や高位の魔物の素材を求めて、

貴族も辺境でしか入手できない品物や高位の魔物の素材と大陸中から集まる冒険者の引き抜きにと、各々が様々な理由を持ってシールドに集まるのである。


辺境都市・シールド・冒険者ギルド

辺境都市シールドの冒険者ギルド内は人でごった返していた。

シールドの冒険者ギルドはいつ行っても活気に溢れていた。


「やぁ!リリーちゃん。久しぶり!」

ギルドの受付嬢に声をかけたのは、森と盾というパーティーのリーダーゴルド。

人族二人、人獣族一人、エルフ族一人の四人でパーティーを組み

20代にして全員がランクB

そして、パーティーランクBの実力派のグループである。


大陸の共通認識として、

冒険者ランクCがベテラン腕利きの冒険者として認識されるランクである。


「ゴルドさん。皆さんお久しぶりです。いつシールドにお戻りになられたので?」

「リリーちゃん。今日の朝だよ。護衛の依頼が終わってから向こうの町で少し休んでよ、このシールドに行きたいって言う商人を護衛して戻ってきたんだわ。これ依頼の書類ね。」

「はい。ご依頼主様からのサイン済みですね。確認しました。みなさんお疲れ様です。それと森と盾のパーティーの皆さんに指名依頼があるのですが・・・・・」

「えー指名依頼?わたし嫌よ~」

パーティーメンバーの一人である人族のローズがゴルドより先に答えた。

「おら受けてもいいべ」

人獣族・熊族の男が賛成する。

「うちわ依頼受けてもええよ。お金たくさんくれるんなら~」

最後にエルフ族の女が答えた。

「えぇっ!二人とも依頼を受けるの?働き過ぎよー」

人族の女ローズが叫ぶ!

「まあまあ落ち着けってローズ。わざわざの指名依頼ってことは、ギルドマスターからだろ?」

パーティーリーダーのゴルドがローズを落ち着かせ受付嬢のリリーに尋ねる。

「古き魔境の森の定期調査をお願いしたいとギルドマスターからの要請です」

「定期調査って・・・いつも依頼を受けてるパーティーの奴らは?」


ゴルドの質問に少し表情を暗くしたリリー

「既に今月に入ってから調査依頼で三組のパーティーが壊滅しています。古き魔境の森から魔物が溢れスタンビードになるのではないかとギルド上層部は警戒しています。」

「マジかよ・・・・・。」

「調査に向かった中で最高ランクは斧の力のパーティーでパーティーランクはCランクになります」

ゴルドは少し悩んでから

「みんなオレはこの依頼を受けようと思う」

その言葉に頷くエルフと熊男に仕方ないと溜め息をつくローズ

「リリーちゃん。俺たち森と盾がこの依頼を受けた」

「森と盾の皆さん。ありがとうございます。ではよろしくお願いいたします。お気をつけください。」

「おう。リリーちゃん。行ってくるわ~」

そう言い残し森と盾のメンバーは冒険者ギルドを後にした。


森の盾のメンバーは別々に別れ調査に必要な物資を購入して、

古き魔境の森に調査に向かうのだった・・・・・。

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