2:焼きトウモロコシの話

 トウモロコシは焼いて食べると美味い。

 そこには皆、同意してくれると思うんだ。

 いや、茹でたり蒸したりしたトウモロコシも美味いけども。

 丸ごと焼いて醤油を塗った焼きトウモロコシの美味しさってのは、たまんねぇですよね?

 醤油の香ばしさ、サイコー!ってやつじゃん。


 屋台で売ってる焼きトウモロコシ、ついつい買っちゃうじゃないですか。

 バーベキューするときとか、売ってたらトウモロコシ買って焼いちゃうじゃないですか。

 甘いトウモロコシに、焦がし醤油の味がまたたまんねぇんですよ。




 と、言うわけで、今回はそんな焼きトウモロコシに関するお話です。




 我、程良い田舎の子でありますので、曽祖母が家で趣味の畑をやっておりました。

 そしてご近所さんは専業農家のお家もいっぱい、みたいな感じなんですわ。

 そしてそのご近所さんは親戚だったりする。

 ※田舎あるあるの、同じ名字のお家いっぱい的なアレです。どこでどう血が繋がってるのかは俺には解らんけど。とりあえず親戚らしいっていうやつ。


 そんなわけで、旬の野菜というのは割とお手軽に手に入る子供時代でした。

 自分の家で育てていなくとも、育てている家からお裾分けがやってくるやつです。

 何故かって?

 農作物ってのは一つの時期にどんと収穫出来るから、食べきれない分はご近所に配るんですよ。

 裏口に気付いたら野菜が置かれてるとかデフォですよ。

 田舎では普通の光景です。


 で、そのいただく野菜の中に、トウモロコシも当然あるわけです。

 トトロでメイちゃんが自分でもいでうっきうきになってたようなトウモロコシです。

 立派なおひげのトウモロコシがどーんと。

 そんなのを見たら、今日のおやつにコレ食べたい!ってなるのが子供ですよ。

 そしてそんな子供心を察して、曽祖母がおやつに焼きトウモロコシを準備してくれることがありました。


 小学校から帰ってきたら、香ばしい醤油の匂いが。

 何か焼いてる……!と裏口の方へと向かったら、そこには……!




 七輪で炭火焼きの焼きトウモロコシを作っている曽祖母の姿が……!




 最高に美味しいやつじゃーん!と俺のテンションは爆上がり。

 ひ孫の帰宅時間に合わせて焼いていてくれる曽祖母、とても優しい。

 そんなわけで、そういう日はうっきうきで焼きトウモロコシをおやつに食べてました。



 さて、本題。

 この「曽祖母が七輪で焼きトウモロコシを作ってくれてた」という思い出話をしたところ、周囲から飛び出したのは「七輪って何……?」でした。

 オーマイガー。

 同世代にはそもそも七輪が通じなかった。

 何でだ。


 挙げ句の果てに、二回り以上は年上のマダムに、「……つーちゃん実は、私と同年代とかない?」と聞かれる始末。

 違いますが……!?って必死に訴えたけど、それ以外の子供時代の話をすればするほどに、疑惑を強められていく罠。

 何故だ。

 ちょっと田舎の子なら、お家に七輪あっただろうし、七輪で焼きトウモロコシを作ったことだってあるはずだ……!


 しかし、未だに同年代で頷いてくれる方は(近所の同級生を除いて)おりません……。

 なんてこったい……。




 とりあえず、七輪で炭火焼きで作った焼きトウモロコシ、とても美味しいよ☆(ヤケクソ)


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