第251話 エピローグその1

 昔々、いつの頃からか、旧王都の廃城に吸血鬼が住むようになった。


 彼女は男誰もが目を向ける美女で、様々な男を誘惑しつつも、近寄る男どもはすべて拳で叩きのめした、剛毅なものであった。


 彼女は真祖の吸血鬼として誇りを持ち、立ち向かう者はすべて歓迎をし、そしてすべて返り討ちにしてしまった。強過ぎたのだ。高位聖職者でも彼女を封印する事はできず、事実上最凶の吸血鬼として、大陸に名を轟かせるに至った。


 どの国のどの騎士も、彼女には手出しができず、しかしそれ以外では人を襲うような事は無く、絶妙な均衡の上で人間世界と和睦を繋げていた。

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