第236話 立食形式パーティーへ
「さてワシらはこっちじゃ」
と言って、城に入ってきた時よりも小さな――それでも私の背丈の倍以上ある――扉から別の部屋に入る。
そこは、貴族のような人たちが歓談している、立食形式のパーティー会場のようだった。
すでに会は始まっており、それぞれが思い思いにテーブルに並べられたフード類を皿に取り、手にはグラスに注がれたワインのようなものを飲み、歓談をしていた。
我々はちょっと遅れて到着したようなので、まずは受付にてゼスが話をし、会場の中に通された。意外とすんなり入れたと、ちょっと拍子抜けだ。
「もっと持ち物検査とかしないのかな? 私なんて武装してる訳だし」
そんな疑問は、ゼスの言葉で一蹴された。
「ここに来れる時点で、身元検査など済んでおる。それにどやつも一騎当千のクセ者共よ。武装してても意味は無いわ」
えっ? ここにいる人たち、そんなにやばい人たちなの? ってか、そんなレベルの人たちの集まり入って、私は平気なの?
色々疑問はあろうが、とりあえず落ち着いて辺りを見回す。
ゼスはと言えば、さも当然のようにワイングラスを傾けている。もちろん中身は血だが。
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