第224話 墜ちた剣聖
3人いた騎士団員は、即座に抜刀して切っ先を私に向けて構えた。
「な……なぜ『墜ちた剣聖』がこんな所に……。やはり噂は本当だったんだ! 吸血鬼に成り下がったか!」
あらぬ疑いがかけられているが、言われている事は本当の事なので文句が付けられない。しかし『墜ちた剣聖』という二つ名はなんだ? いつの間にそんな名前が付けられているのか? そんな名前を名乗った覚えは無いのだが。
「えーと、その『墜ちた剣聖』とか言う名前はともかくとして、私は人を襲ったりはしないから、大丈夫です」
敵意が無い事を示すため、腰の後ろのショートソードには触れる事は無く、両手を上げて降伏の意思を示す。ただそれでも私を警戒してか、切っ先を下ろす事は無かった。
「あなたには、討伐対象となりうるか調査が求められている! おとなしく詰所に出頭してもらう!」
おそらく私に対して、多少なりとも恐怖感はあるのだろう。切っ先がわずかに震えている。しかもへっぴり腰だ。言っている言葉は強いが、動作はそうではない。
ここで騎士団に捕まるのも悪手と言えるだろう。それこそ首をはねられても当然ともなる。
そこで私は行動に出る。
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