第203話 それでも問う

「それでもあえてリリカに問おう。


お願いします。

儂と付き合って下され

もう独りはイヤなのじゃ」


 穏やかに、でもしっかりと、私の目を見つめて問いかける。手を差し出すゼス。

 私は呆れてものも言えず、ただ笑うしかなかった。

 そしてひとしきり笑った所で、その問いに答えた。


「もう。こんな身体にしたんだから、責任は取ってよね?」

 私は、差し出されたゼスの手を取った。晴れて私は、吸血鬼に成り下がったのだ。




――――――



「そう言えば、「よく頑張った。よく耐えた」って言っていたけど、あれってゼスの首をはねたストレスに耐えたって意味なの?」

 私の疑問に、さらにかぶせるように答えを出してくる。

「それだけではない。本来吸血鬼の血など、『毒』そのものじゃ。少量ならば害は無いが、大量となると、それに耐える体力・精神力が必要になってくる。それらを身に着けられたのは、ひとえにリリカの頑張りがあったからじゃ」


 だからこその、あの騎士団での修練だったのだ。体力錬成に瞑想、それらはすべて、ゼスの血に耐えるためのものだったとは。

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