第202話 吸血鬼の身体
「食事も不要、睡眠も不要。つまりその身体は、吸血鬼のそれになりつつあるのじゃ」
言われて改めて自分の身体を確かめてみる。
確かにお腹は空かないし眠くもならない。てっきりゼスを斬った時のストレスによるものだとばかり思っていたが……。
とすると、ゼスはここまで地図を描いて用意周到に計画を運んだ事になる。
「ゼス……。あなたいつからこの計画を……?」
その事を問うた私に、ゼスはなんともあっけらかんと答えた。
「ん。そりゃもちろん、初めて会ったあの時からじゃ。だからこそねぎらったのじゃ、よく耐えたと」
驚いたし呆れた。
空いた口がふさがらないとはこの事だ。そこまでして私という存在に、隣にいて欲しかったという事だ。
「さて、リリカの身体は、真祖の吸血鬼になろうとしている。今後人としての生活はできなくなろうが、それでも通常の生活をするのに支障は無いはずじゃ。リリカは自由に振る舞って大丈夫じゃよ」
そして、重ねてゼスが問う。
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