第197話 肩パン

「いたたたた。ちょっとリリカよ、そっちでのうて、もうちょっと横の方から……。そうそう。あたたた。石が当たる」

 ゆっくり引き抜くと、脇から上の部分が穴から出てきた。顔を見るに、やはりゼスだ。

「いやー、大変だったぞな。途中に大きい石があっての、それに引っかかって抜け出られんかったわい」


 そんな状況についていけてない、私であった。

「本当に……ゼス?」

「ん? ああ。ワシじゃ。いやはや、難儀したぞな。ここを埋めた輩、ちょっと仕事が雑ぞな」


 そこで私はゼスの隣に座り込んだ。

「ただ埋めれば良いというものでもないぞ。石とかの異物は取り除いて、ちゃんと土のみで埋めねば


ゴッ


 私は、思いっきりゼスの肩にパンチをした。

「いったっ! リリカ何をするんじゃ! いきなり肩パンはやめよ。ああ、じゃからこぶしを振り上げるでない!」


ゴッ


 さらに肩パンをする。それも思いっきり。

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