第189話 地下墓地

 私はおぼつかない足取りで、地下に下がる階段を降りて行く。

「こんな所があったんだ……」

 そして、身長ほども下に降りた所で、少し開けた空き地に出る。とりあえず何も無い場所だ。

「ここは……?」

 私の問いに、団長が答える。

「ここはな、何かがあった時のために確保しておいた、地下墓地だ」

 地下墓地。こんな所に私を連れてきて、何の事だろう。


「ここに、

「……え?」

 団長の言葉に、私は反応しきれなかった。ここにゼスがいる? どういう意味か?


 団長が何も無い地面を指差す。そこには何も無いと思っていたが、小さな石碑が置いてあった。その石碑に掘られていた言葉は、

『ゼス・マーブルグ・グエント 封印』

だった。


「は?」

 我が目を疑った。ここにゼスの遺骸を埋めたのか。

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