第181話 動きが鈍る
まだまだ戦闘は続く。
ゼスは前後左右にせわしなく運足をして機会をうかがい、私は正眼に構えて間合いを少しずつつめて行く。
お互いにジリ貧で膠着状態な所、何かの決め手があれば、形勢は一気に傾く事はわかっていた。
そこで次の一手は、私から。
剣の切っ先を下に下げ、下段の構えに変える。もちろん頭部がガラ空きになるのだから、危険きわまりない。
ゼスはその構えを見て、苦笑いをする。おそらく私の意図は読めているはず。ゼスが顔面に向かって放つ突きや蹴りに対して、私が何かカウンターを合わせる、そういう図が見えているだろう。
そうして間合いを少しずつつめて行くと、ここぞとばかりにゼスが身体を一回転させ、右のストレートを放とうとする。
しかし、間合いがわずかに遠い。
そちらのストレートはフェイント。実際の攻撃は別にある。
ストレートを放つフリをして意識を上に持っていき、実体は下だ。
さらにゼスは身体を反転させ、私の足元に足先から伏せて滑り込む。そこからのけぞるようにフックぎみの後ろ蹴りが、下から飛んでくる。
そこで、ゼスの動きが鈍る。
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