第174話 間合いの取り合い
私がさらに一歩踏み込んでの突きを放つと、ゼスはほんのわずかに引いて横に回り込み、ちょっとだけ前に出てから身体をクルッと一回転して、後ろ回し蹴りを放ってくる。
当然私の突きのカウンターとして放つのだから、私も完全には避けきれず、甲冑の胴の部分にゼスの爪先がかする。
今度は私が下がって距離を取る。蹴りがかすった胴には、真一文字に亀裂が入っていた。
そう、お互いの一撃はこれで、必殺の一撃になったのだ。
私もゼスも、こうなると間合いが詰められなくなってきていた。お互いに小刻み動くようになり、一瞬の交錯の機会を待つ事になる。
せわしなく前後に出入りする私と、前後左右に運足をするゼス。
間合いの取り合いが始まった。こうなってくると、『いかに自分に有利な間合いを取れるか』が、勝負の決め手となる。さてどうするか……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます