第168話 栄養補充
そこから先は、とにかく食べて飲んだ。
以前にゼスに紹介してもらった、裏路地の料理店。あそこに行った。相変わらず、店主は無愛想で客はガラが悪い。しかし出される料理は美味しいのだ。ゼスがいなくなっても通うのが、礼儀と言うもの。
今日はソーセージに煮込み、そしてワインとエール。それらを味わって食べる。ソーセージのジュワッとした肉汁を、エールで流し込む。身体に元気がみなぎると言うもの。
追加で、イモの揚げたものも注文。こちらもホクホクして、香辛料の辛味も良く、美味なのだ。
こうして食べるだけ食べて、飲めるだけ飲んで、身体が吐き出した元気を補充する。
するとどうだろう。だんだんと頭の中が整理されて行くような気がした。頭の中のモヤモヤが晴れて行くような、そんな感じだ。
ゼスは待っていてくれている。
それも、万全な状態の私を。
おそらく、旧王都の廃城で。
確証は無い。しかし勝手知ったるなんとやら。ゼスが考えていそうな事くらいはわかる。
また最初に会ったあの場所で、また肉体言語という名の戦いをするのだろう。
私は密かに燃えていた。串焼きの肉をかじりながら。
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