第161話 改めての討伐依頼

 そんな一日が終わって、次の日。

 私は騎士団団長に呼び出された。とりあえず心当たりは無い。ともかく修練場にゼスを置いてきて指南をしてもらい、私はそちらに行く事にした。


「リリカです。失礼します」

 扉をノックして挨拶をしてから、団長の執務室へと入る。

 そこですぐに気が付いた。団長の机の上に、一振りの剣が置かれている事を。その剣の周りだけ清らかなオーラに包まれているのが、魔力の無い私でもわかった。


「団長、それは?」

 私が剣の事についてたずねると、慎重な顔で団長が答えた。

「リリカ。キミに来てもらったのは、この剣の事についてだ。キミにもわかるだろう、この剣にこめられた祈りの力を」

 確かに尋常ではないオーラだ。どのような作り方をすればこのような剣が作れるのか、想像もつかない。


 そして団長は宣言をする。

「キミにこの剣を受け取ってほしい。そして改めて、討伐依頼を出す。『あのゼスという吸血鬼をこの剣で討伐してくれ』と」

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