第158話 服屋にて
さてそんな食材の買い出しを終えて、そろそろ帰ろうとした所で、一軒の服屋が目に留まった。
ゼスも同じだったようで、店前に飾られていた服が、なかなかにオシャレな印象だった。ゼスが着たなら、かなり人目を惹くだろう事は推測できた。
「リリカよ。ちと、あの服屋を覗いてみんか? なかなかに面白そうじゃて」
どうやらゼスも同じ意見だったようだ。私はふたつ返事で了承した。
「もちろんよ。中に入りましょ」
店に入ってみると、そのきらびやかさが良くわかる。とにかく原色を使って細かい模様を織り込んだ、そういう布地を使っているのだ。それでも派手ではないのは、形が昔ながらの伝統的なものだからだろう。
「おお! これなどリリカに似合いそうじゃ。試しに試着して見せてくれりゃ」
え? 私が着るの? いやこんな派手な服はちょっと……。そう思っていたら、さらにゼスから追撃が入る。
「なぁに。試着するだけはタダじゃて」
まあ……着てみますか……。
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