第157話 お買い物デート

 とりあえず今日の所は終わりにして、騎士団を後にする。向かうは我が家の『西棟』。もうすっかり馴染んだものである。

「よお! 騎士団のねぇちゃんたち、いい果物が入ったよ! 新鮮でジューシーだよ!」

 商店街の面々とも、仲良くなった。行きつけも増えて、色々とオススメされる事も多くなった。

「むふーん。良きツヤじゃの。皮にハリもあるし、これは良質じゃ」

 ゼスの目利きも健在である。

「店主よ。このカゴの中のもの、一揃え買おうぞ」

「いょっ、毎度! 黄色のやつは足が早いから、今夜にでも食べちゃって」

「うむ。承知したのだ」

 こんな丁々発止も、慣れたものだ。


「他に何か買っていく?」

 私の問いかけに、ゼスが答える。

「イモも肉もまだあるでな。とりあえず店先を見ながらそぞろ歩こうぞ」

 という事で、買い物デートである。


 デート……。デートかぁ……。私もほだされたものだ。

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