第156話 修練の終わり

「すぅー ふぅー」

 その後は、瞑想の修練だ。呼吸にのみ集中して、鼻から吸って口から吐く。目は閉じず開かず、薄目で遠くを見るように。

 これがまだまだ難しい。余計な雑念が浮かんではそれを打ち消し、その繰り返しだ。ただ、だいふ長くできるようになって、瞑想の時間もかなり集中できるようになった。

 床に正座で直座りだが、足の痛いのなど気にしない。そういうのに気を持って行かれない事も含めての、瞑想の修練だ。


「よぅし。今日の修練はここまでじゃ。各自、汗の始末をするようにな」

「うぃーっす」

 ゼスの宣言で、今日の所は終了。私の瞑想も終わりだ。


 そんな私も、そこまで動いてはいないが、固まった肩や腰などを伸ばしてほぐす。こういう柔軟体操が、重要なのだ。

「うむ。だいぶ慣れてきたようじゃの? リリカよ」

「そうね。最初は雑念が多かったけど、今は集中できてるわ」

 ゼスとの問答もいつも通りだ。他の団員たちも、着実に力をつけてきている。私もさらなる飛躍が必要な時だ。


「ふむふむ。次は対人戦かの。今までの成果、見せてもらおうかのぅ」

 お。ついに来た。あの時のような動き、再現できるように頑張らねば。

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