第130話 イチャコラしたい

 そんなこんなで晩ご飯も済ませ、湯浴みをして寝るだけだが、事あるごとに、

「背中を流そうか?」

「気持ち悪くないかえ?」

と、私を気にかけてくる。とてもありがたい事なのだが、いかんせん過保護すぎる所がある。とりあえずは断っておくが、少し釘を刺しておく必要がある。


「ゼス? 私は大丈夫だから。ね?」

 しかし、どうにも心配な目を向けてくる。なんだかこちらが心配になってしまったので、ゼスと話をしてみる。

「ゼス、いったいどうしたの? ちょっと過保護気味じゃない?」

 そんな訪ね方をしてみると、ちょっと変化球気味の返答が返ってくる。

「リリカは強い。じゃが、他人に頼る事を知らん。それはとても危うい事じゃ。もっと頼って良いのじゃ」


 そんな事を言われてしまった。確かに他人に頼るのがヘタなのは、自覚してる所だ。


「今でも充分頼ってると思うけど?」

「そうではない。もっとイチャコラしたいのだ」

 なんの事はない。甘えたり甘え返さりたり、そういう事をしたいだけだとわかる。

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