第128話 燻製肉
そんな訳で市場で肉を物色している訳なのだが、やはり塩漬け肉くらいしか置いてはいない。牛・豚・鳥とあるが、どれも保存のために塩漬けされたものだ。
「やっぱり生肉は無いわね。生産地まで行くしかないのかな」
私が疑問を口にすると、ゼスは心底イヤそうな言葉を口から出す。
「ワシはリリカと一緒にいたいんじゃぁぁぁ。ひとりで買いに行くなどイヤじゃぁぁぁ」
本当にイヤそうである。
そんな風に肉屋を周っていると、表面が飴色になった肉が吊るされた肉屋が目に入った。
「ほお。燻製か。これはまた良きじゃのぅ」
燻製肉なら、また別な食べ方もある。今日の所はこれが妥協点かも。
「ゼスどうする? あなたが良ければ、今日の買い物はこれにしようと思うの」
その言葉にゼスが食い付いた。
「ぬぬっ! 燻製肉か! それはまた美味。よし買おう」
こうして、今夜の晩ご飯は決まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます