第125話 瞑想の効果

 言われた通り、呼吸に集中してみる。

すぅー ふぅー

 鼻から吸って、口から吐く。吸う時も吐く時もゆっくり。吸う時は新鮮な空気を取り入れるつもりで、吐く時は身体の中の濁りを吐き出すつもりで。

 何事もイメージが大切だ。

 そうして繰り返していくうちに、だんだんと意識が呼吸にだけ向かっている感覚がわかってきた。

 心臓の音もゆっくりになり、身体のどの部分が緊張しているか、わかるようになる。そこの力も抜く。

 なんとなくゼスが言いたい事がわかってきた。


「ふむ。飲み込みが早いのぅ。さすがはワシが認めた剣士よ」


 遠くに街の喧騒が聞こえる。

 屋根の上で小鳥のさえずりが聞こえる。


 いや、それらに気を取られないようにして、呼吸と身体の感覚に集中する。

「うむ、そこまでじゃ。そうして瞑想をすれば、心も落ち着くじゃろうて」

 そんな所で、ゼスの言葉で終了だ。短い時間でも気持ちがリフレッシュできた。


「さて、朝ご飯にしようかの。まだ小イモも残っておるでの」

 食欲も戻ってきたし、ちゃんと食べよう。

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