第124話 瞑想

 さて一晩寝て起きて、とりあえず本調子ではないものの、だいぶ体調は戻ってきた。ゼスが買ってきてくれた薬のおかげだ。

 そのゼスも、「今日は休め」と言って騎士団に連絡をしているので、今日は休みだ。


 ベッドの上で軽く柔軟体操をしてみる。身体の疲れ具合や筋肉の固さも相まってか、やはり疲労の度合いは色濃い。休んで正解のようだ。


 そんな時に洗濯が終わって戻ってきたゼスが、こんな言葉をかけてきた。

「リリカ。ちょっと『瞑想』などやってみてはどうかの?」

 瞑想? なんだか難しい事のようだし、やった事もない。私が首をかしげていると、ゼスがアドバイスをしてくれた。

「楽な姿勢で座って、呼吸に集中するのじゃ。吸った息が腹に入り、腹をへこませて身体の中の空気をすべて抜くように、呼吸を感じてみよ。まずはそこからじゃよ」

 ともかくやってみる事にした。

 すぅー ふぅー

 うーん。余計な考えが頭の中をよぎるので、なかなか集中できない。身体もなんだかむずむずする。


「落ち着かないかの? まあ騙されたと思って続けてみよ。剣術にも活きてくるぞよ」

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