第12話 圧勝

 その先輩団員との一対一の対人戦、胴体に木剣を当てたら一本。それ以外のルールはとりあえず曖昧なままで、先輩団員と私が対峙した。


「始め!」

 他の団員が声を上げ、対人戦が始まる。最初は牽制けんせいをし合っていたが、すぐに決着がついた。


 上段に打ち込まれた木剣を受け止め、身体を使ってそれを弾き返して喉元に木剣を突きつけて、一本

 袈裟懸けに切り付けた木剣を私の木剣で斜めに受け流し、首に木剣を添えて、一本。

 胴薙ぎに振られた木剣をフットワークでかわして横に廻り込み、胴に木剣を軽く当てて、一本。

 すべて私の勝ちだ。


「だー! くそーっ! 強ぇ」

 その先輩団員は、疲れて尻もちをついて、悪態をついた。かたや私は、息も切れていなかった。

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