第40話 審査方法は?

「それは、君のトゲを見せることだとげぇ!!」


「トゲですか?」


「ああ、そうだとげぇ」



「トゲなんて持ってたっけ?」


「しょ~しょしょしょっ! それはしょ~ちゃんのことか!?」


「いや、それは違うだろ」


 ショーカは消火器だろ。


「ちょ~さんに付いている気がするよ、いちょ~」


「それは触覚じゃないか?」


「ぱね~さんの羽根の先ですかね? ぱね~」


「それは違うんじゃないか?」


「「旗の先端がトゲっぽいのであるもっち」」


「それも違うと思うぞ」


「我様の先端はトゲっぽいぜほしっ!」


「それは角なんじゃないか?」



「トゲと言われましても、そんなものはありませんよ」


「いや、あるだろとげぇ」


「えっ? ないと思いますけど?」


「雄のトゲがあるだろとげぇ。それを見せてみろとげぇ」


「雄のトゲですか? なんですか、それは?」


「股のところにあるだろとげぇ!」


 ええっ!?

 まさかガギアキースセギトのことか!?


「さあ、脱げとげぇ! 雄のトゲを見せてみろとげぇ!!」


「な、何を言ってるんですか!? 変態なんですか!?」


「いきなり脱げなんて、間違いなく変態でありますな!!」


「ぱね~! ぱね~! ぱね~~~っ!!!!!」


「ち、違うとげぇ!? 私は変態じゃないとげぇ! 私は私が持っていないトゲが欲しいだけだとげぇ!?」


「ええええええええええっ!? 雄のトゲを、もぎ取る気なんですか!?」


「「これは危険人物であるもっち!」」

「成敗した方が良いんじゃねぇかうす!?」

「ああ、我様もそう思うぜほしっ!!」


「違う、そうじゃないとげぇ!? 私はトゲ使いとして、素晴らしい雄のトゲを持つ者を、夫にしたいだけだとげぇ!!」


「夫!?」


「これは見せるしかないですだぜ!! アオォォォォォォォンッ!!!」

「やろうだぜだぜ、親父!! ウオォォォォォォォンッ!!!」

「そうですですよ!! オオォォォォォォォンッ!!!」


「やかましい! えるな!!」



「それで、どうするんだとげぇ? 審査を受けるのかとげぇ?」


「我々が探しているのは、仲間なんですけど」


「仲間も夫も変わらんとげぇ。審査に合格しない輩とは、手を組む気はないとげぇ」


 ええ……



「あの、トゥゲェルーカさん以外に、誰かいないんですか?」


「強くて頼りになりそうな良い雌はいませんねマドグ~ン」


「良い雌は余計ですって! 強くて頼りになりそうな人はいないのですか!?」


「いませんねマドグ~ン」


「強い人でもいいですよ!」


「トゥゲェルーカさんしかいませんねマドグ~ン」


「そうですか……」



「親父殿、審査を受けようですだぜ!! アオォォォォォォォンッ!!!」

「そうだぜだぜ、親父!! ウオォォォォォォォンッ!!!」

「私たちのトゲを見せつけてやりましょうしょう!! オオォォォォォォォンッ!!!」


「仕方ない、審査を受けます」


「では、脱げとげぇ! 雄のトゲを見せてみろとげぇ!!」


「ここで脱ぐのはやめてくださいねマドグ~ン」


「では、うちに行きましょうか?」


「ああ、構わんぞとげぇ」


「それでは、これで失礼します。ありがとうございました」


「またのお越しをお待ちしておりますマドグ~ン」


 ボッチがとりあえず集まるところを出た。



 家に帰ってきた。


「おかえりピピョーン」


「ただいま、マスターじいさんマスター」


 みんなにトゥゲェルーカさんを紹介した。



「な、なんと、とげぇの付いたトゲ使いを連れて来るとはピピョーン……」


「さすがは珍者ちんしゃ様ですわね!」


「すごいっすわ~」


「そんなにすごいことなのか?」


「うむ、とげぇの付いたトゲ使いは、強力で滅多にいないピピョーン」


「そうなのか。すごい人に出会ったんだな」


「これは我らのものにするしかないですだぜ!! アオォォォォォォォンッ!!!」

「その通りだぜだぜ!! ウオォォォォォォォンッ!!!」

「がんばりましょうしょう!! オオォォォォォォォンッ!!!」


「分かったから、えるなっての!!」



 自室にやって来た。


「では、ここで審査をしましょう」


「ちょっと待ってくれとげぇ。よく見えるよう、かぶとを外させてもらうとげぇ」


「どうぞ」


 トゥゲェルーカさんがかぶとを外した。


 おおっ!!

 金髪セミロング、碧眼へきがんで、気が強そうな感じの超美女だな!


「これは良い雌ですだぜ!! アオォォォォォォォンッ!!!」

「ああ、素晴らしいだぜだぜ!! ウオォォォォォォォンッ!!!」

「これは手に入れるしかありませんせんね!! オオォォォォォォォンッ!!!」


「いちいちえなくていいっての!!」



「よし、では、見せてもらおうかとげぇ」


「分かりましたよ」


 服を脱いだ。



「うおおおおおおおおっ!!!!! やってやるですだぜ!!!」

「おおおおおおおおおっ!!!!! ド根性だぜだぜ!!!」

「はああああああああっ!!!!! フルパワーですです!!!」


「おい、お前ら、気合入れすぎだぞ!?」


「良い雌を手に入れるためですだぜ!!」


「分かったから、落ち着け!」


「で、どうなんだぜだぜか、姉ちゃん? 合格だぜだぜか?」


「あ、ああ、素晴らしい雄のトゲだとげぇ。合格だとげぇ」


「やりましたしたね!!」


「では、さっそく血を残すとしようですだぜ!」


「ああ、そうだなとげぇ」


「えっ!? 何言ってんだよ!?」


 おい、何をやっているんだよ!?


 それはダメだろ!?


 俺は仲間を得ようとしていたんだぞ!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る