第37話 水着使い!?

 王総理大統領の間を出た。


 その後、ソファとテーブルが置いてある応接室のような場所に通された。


 王総理大統領女たちも一緒だ。


「あ~、疲れたっすわ~。だり~っすわ~」

「まったくっしょ~」

「あ~、やってらんね~でやんす~」

「もう嫌よでやす~」


 ドレス姿の美女たちがだらけ出した。


 ええっ!?

 なんなの、この人たち!?


「お姉様方、はしたないですわよ!? しっかりしてください!?」


 水着姿の美女がドレス姿の美女たちをたしなめている。


 格好が一番マトモじゃないのに、性格はマトモなのか!?



「ところで、王総理大統領のおっしゃっていたことは、本当なのですか?」


「本当っすわ~」

「末永くよろしくっしょ~。大事にしてねっしょ~」

「まずは私が一生のんびり暮らせる環境を用意してねでやんす~」

「私のもよろしくねでやす~」


 なんだこいつらは!?


「しょ~しょしょしょっ! これはもしや、厄介者を押し付けられたのか!?」


「そんな感じだね、いちょ~」


「おい、そんなハッキリ言うなっての!?」


「それは失礼っすわ~」

「私たちは、珍者ちんしゃの子孫を残すという使命を帯びてきたのにっしょ~」


「えっ!? それはどういうことなんですか!?」


珍者ちんしゃは、これから危険かもしれない旅に出るのでしょでやんす~? 途中で死んでしまう可能性もあるのよでやんす~」

「だから、血を残しておくというわけよでやす~」


 えええええええええええええええっ!?

 そんな理由だったのかよ!?


「というわけで、妻である私に良い暮らしをさせてねっすわ~」

「よろしくっしょ~」

「豪邸を用意してねでやんす~」

「寝心地の良いベッドも欲しいわでやす~」


「見知らぬ人間の妻になって良いのですか?」


「王族は政略結婚が普通だから、気にしなくていいっすわ~」


 ああ、そういうものなのか。


「負い目を感じるなら、良い暮らしをさせてっしょ~」

「豪邸、よろしくねでやんす~」

「広い部屋に、広い風呂に、良いベッドもねでやす~」


 やっぱりこいつら厄介者なんじゃないか!?



「ワタクシは違いますわよ!」


 水着姿の美女が、そう言った。


「どういうことですか?」


「ワタクシは『水着使い』ですわ!」


 水着使い!?


「なんですか、それは!?」


「副業のひとつだピピョーン。強力な特殊能力を多数持っているという話だピピョーン」


「その通りですわ!」


 ええええええええええええっ!?

 水着使いとかいう訳の分からんものなのに、強いの!?


「では、ともに戦ってくれるということですか?」


「いいえ、ワタクシは自身が認めた方にしか協力しませんわ! 当然、妻にもなりませんわ!!」


 普通!?

 すごく普通でマトモな考えだ!?

 この人、着ているものと副業以外、とてつもなくマトモだな!?


「なら、どうすれば認めてくれるのですですか!?」


「それはもちろん『水着審査』ですわ!!」


 水着審査!?


「それはなんなんだぜだぜか!?」


「ワタクシの出す水着を着ていただきますわ! その姿を見て判断しますわ!!」


 なんじゃそりゃぁっ!?

 そんなの見て、何が分かるんだよ!?


 訳が分からなさすぎるぞ!?


「これはやるしかないですだぜ!!」

「ああ、やってやるだぜだぜ!!」

「そうしましょうしょう!!」


「良いでしょう! 審査してあげますわ!!」


「「その前に、自己紹介くらいしておくのであるもっち」」


「確かに、そうねでやんす~」



「じゃあ、私からするっすわ~」


 腰くらいまである長いウェーブのかかった青髪をポニーテールにしている。

 青眼。

 おっとりしている印象。

 身長高め。

 スタイル抜群。

 青いドレスを着用。


 このような姿の美女だ。


「私は第九三王総理大統領女の『ナウアーエ』っすわ~。よろしくっすわ~」


 九三!?

 王総理大統領女って、そんなにいるのか!?


 子だくさんすぎだろ!?



「私は第九四王総理大統領女の『マリヒーア』っしょ~。よろしくっしょ~」


 セミロングストレート濃紺髪。

 水色眼。

 おっとりしている印象。

 身長低め。

 白く美しい肌。

 スタイル抜群。

 赤いドレスを着用。


 このような姿の美女だ。


 九四!?



「私は第九五王総理大統領女の『ケイアラーダ』よでやんす~。よろしくねでやんす~」


 ロングストレート黒髪。

 黒眼。

 おっとりしている印象。

 身長高め。

 白く美しい肌。

 スタイル抜群。

 白いドレスを着用。


 このような姿の美女だ。


 九五だと!?



「私は第九六王総理大統領女の『モノスズルーニ』よでやす~。よろしくねでやす~」


 ウェーブのかかったロングの茶髪。

 緑眼。

 おっとりしている印象。

 中背。

 白く美しい肌。

 スタイル抜群。

 緑のドレスを着用。


 このような姿の美女だ。


 九六って!?



「ワタクシは第九七王総理大統領女の『ミャジュギーナ』ですわ。よろしくお願いしますわ」


 腰くらいまである長いウェーブのかかったピンクの髪。

 碧眼へきがん

 気が強そうな印象を受ける。

 高身長。

 白く美しい肌。

 スタイル抜群、出るべきところが出まくっている。

 紫色のスリングショット水着を着用。


 このような姿の美女だ。


 九七までいるのかよ……


 本当に子だくさんだな。


 王総理大統領って、妻が何人いるのだろう?


 まあ、そんなのどうでもいいか。


 その後、俺たちも自己紹介をした。

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