第27話 旗と星、おまけのクイズ

 突然、ハタモチたちの持っているのぼり旗が、金色になった。


 さらに『最強珍者ちんしゃ! アルヴェリュード!!』という赤い文字が浮かび上がった。


「おい、なんなんだよ、それは!?」


「「見ての通りの旗なのであるもっち」」


「そういうことじゃない!? なんで色が変わるんだよ!? その文字はなんなんだ!?」


「「私たちが横に立つと、こうなるのであるもっち」」


「これにどんな意味があるんだよ!?」


「「不明であるもっち」」


「ええ……」



「親父、もう先に進もうだぜだぜ!」


「ああ、そうだな」



「おい、お前ら、なんで付いて来るんだよ!?」


「「旗のデザインが気に入ったからであるもっち」」


「もしかして、ずっと付いて来る気なのか!?」


「「その通りであるもっち。よろしくであるもっち、最強珍者ちんしゃアルヴェリュード」」


「ええ……」



 通路を進んで行くと、また広間があった。


 その中央に、額縁の化け物がいた。


「またあいつかよ!?」


「それでは、第一問ガブ~チッ!」


「またクイズかよ!?」


「今、何問目ガブ~チッ?」


「またその問題かよ!?」


「『またその問題かよ!?』問目でよろしいですかガブ~チッ!?」


「良くない!!」


 またこのやり取りかよ!?



 ステータスウィンドウ麺を一六箱手に入れた。


 またこれかよ!?



 通路を進んで行くと、また広間があった。


 その中央に、金色に輝く星型の何かが浮いていた。


 大きさは、縦横五〇センチくらいだ。


「また変なのがあるな」


「「まったくであるなもっち」」


 お前らが言うな!!

 お前らも変なのなんだよ!?



「しょ~しょしょしょっ! あれがステータスウィンドウなのか!?」


「どうだろうね? いちょ~」


「とりあえず、調べてみるであります!」


「そうですですね」


「まずは声をかけてみようだぜだぜ!」


「ああ、そうだな。そこの君、君はステータスウィンドウなのか?」


「ふははははっ! その通りだほしっ!!」


 星型の何かが、そう言った。


 ええっ!?

 本当にステータスウィンドウなのかよ!?


 またステータスウィンドウっぽさが、まったくないな!!


「我様はステータスウィンドウの『風のスター・テウス』だほしっ!!」


 また『風の』なのかよ!?


 俺たちも自己紹介をした。



「君のことは『風のスター・テウス』と呼んで良いか?」


「ああ、良いぜほしっ!」


「『風の』を付けなきゃダメなのか?」


「ダメだほしっ!! 我様は風なのだからなほしっ!!」


「あ、ああ、分かったよ」


 やはりこいつもなのか。



「アルアルは、ステータスウィンドウを求めているのかほしっ?」


「ああ、そうだ」


「ほう、それはなぜだほしっ?」


「自身の情報を知りたいからだな。特に特殊能力のな」


「そいつは、どういうことだほしっ?」


 風のスター・テウスに事情を話した。



「ほう、なるほど、そいつらが戻らないのかほしっ!」


「そうなんだよ。というわけで、見せてくれよ」


「ふむ、そうだなほしっ……」


 風のスター・テウスが、俺の周囲を飛び始めた。


 もしかして、値踏みされてるのか?



「ふむ、アルアルは良い風をしているなほしっ!」


 またそれか。


「風って、なんなんだ?」


「風は風だほしっ!」


「そうなのか」


 今度はなんなのだろうか?


 酒ではないみたいだがな。



「じゃあ、見せてくれるのか?」


「ああ、良いぜほしっ!」


「良いのか!? ありがとう!」


「良いってことだほしっ! ほら、こいつがアルアルのステータスだほしっ!」


 突然、風のスター・テウスが黒くなった。


「どれがステータスなんだ?」


「何言ってんだほしっ!? 我様の表面に書いてあるだろほしっ!」


「ええっ!?」


「しょ~しょしょしょっ! 確かに、よく見ると文字が書いてあるようだな!」


「でも、これは小さすぎて読めないよ、いちょ~」


「これ、なんとかならないのかよ!?」


「仕方ないなほしっ! これでどうだほしっ!!」


 俺の前に、青い半透明のプレートが出て来た。


 大きさは、縦横七〇センチくらい。

 宙に浮いている。

 読みやすいサイズの白い文字が書いてある。


「こんなこともできるのかよ!?」


「ああ、できるぜほしっ!」


「だったら、最初から、こっちにしろよ!?」


「なぜだほしっ!? 我様の方が良いだろほしっ!?」


「良くないっての!?」



「親父、早く見てみようだぜだぜ!」


「ああ、そうだな」


 な、なんだよ、これは!?


 体の各部の大きさとか、頭の毛一本一本の長さや太さとか、まゆ毛一本一本の長さや太さとか、ひとつひとつの毛穴の状態とか、いろいろと載っているぞ!?


「なんだこの情報量は!? ここには俺の情報が、すべて載っているんじゃないか!?」


「ああ、その通りだぜほしっ!」


「ええっ!? ステータスって、そういうものなのか!?」


「ああ、そうだぜほしっ!」


「ステータスって、とんでもないものだな!?」


「ああ、そうなんだぜほしっ!」



「ええと、特殊能力はどこに書いてあるんだ?」


「ゴチャゴチャしていて、見にくいでありますな」


「そうですですね」


「これ、見やすくできないのか?」


「カスタマイズ機能があるぜほしっ!」


「それ、どこにあるんだ?」


「どこかにあるぜほしっ!」


「どこかって、どこだよ!?」


「どこかだぜほしっ!」


「ダメじゃないか!?」



 おっ、ここに特殊能力が書いてあるみたいだな。


 えっ!?

 な、なんだこれは!?

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