第21話 ステータスウィンドウクイズ?

 通路を進んで行くと、また広間があった。


 そこには、杭のようなものが描かれた絵が入った金色の額縁から、人間の手足が生えている身長二メートルくらいの化け物がいた。


「ステータスウィンドウが欲しいですかガブ~チッ!?」


 いきなり額縁の化け物が、そう叫んだ。


「えっ? あ、ああ、欲しいぞ」


「それでは、第一問ガブ~チッ!」


「何が!?」


「今、何問目ガブ~チッ?」


「ええっ!? いきなりそれ!?」


「『ええっ!? いきなりそれ!?』問目でよろしいですかガブ~チッ!?」


「いや、良くないに決まってんだろ!?」


「では、答えをどうぞガブ~チッ!」


「一問目!」


「『一問目』でよろしいですかガブ~チッ!?」


「ああ、良いぞ!」


「本当に、その答えでよろしいのですかガブ~チッ!?」


「良いぞ!」


「あなたの人生、それで良いんですかガブ~チッ!? その選択に後悔はありませんかガブ~チッ!?」


「問題ない! 大げさすぎだろ!?」


「では、正解を発表しますガブ~チッ!!」


「ああ」


「正解は、なんと、なんと、なんと……」


「そんなに引っ張らなくていいって」


「なんと、なんと、大正解、答えは一問目ですガブ~チッ!!」


「それはそうだろ」


「おめでとうございますガブ~チッ! 素晴らしいですねガブ~チッ!!」


「それはどうも」


「では、あなた方には賞品を贈呈しますガブ~チッ!」


「そんなの、どこにあるんだぜだぜか?」


「私が爆発したあとに、出現しますガブ~チッ!」


「はぁっ!? 爆発!?」


「それでは皆さん、お疲れ様でしたガブ~チッ!」


 額縁の化け物が、本当に爆発した。



「な、なんでわざわざ爆発するんだ!? みんな、ケガはないか!?」


「ないですだぜ!」


 みんな、ないようだ。


 良かった。



「親父、あそこになんかあるだぜだぜ!」


「えっ?」


 地面に白い紙袋のようなものが置いてあった。


「なんだあれは?」


「あれが賞品なのではありませんせんか?」


「中を見てみようだぜだぜ!」


「そうだな」



 袋の中には『ステータスウィンドウ麺』と書いてある箱が入っていた。


「ナニコレ?」


「しょ~しょしょしょっ! ステータスウィンドウ麺だな!」


「だから、なんだよ、それは!?」


「しょ~しょしょしょっ! 知らん! だが、そいつは食えそうな気がするぞ!」


「ちょ~さんもそんな気がするよ、いちょ~」


「なんでそんなの分かるんだ? 消化器と胃腸の精霊だからか?」


「しょ~しょしょしょっ! そうかもしれん!」


「そうなんじゃないの? いちょ~」


「ハッキリしないなぁ」


「お父様、それ、どうしますますか?」


「うーん、そうだなぁ…… おみやげに持って帰るか」



「それでは、第二問ガブ~チッ!」


「また出た!?」


「爆発したんじゃないのだぜだぜか!?」


「そこは、お気になさらずにガブ~チッ!」


「いや、気になるだろ!?」


「それでも、お気になさらずにガブ~チッ!!」


「はいはい、分かったよ!」


「それでは、改めまして、第二問ガブ~チッ! 第二問目さんは、千ジィアカを持って、お店に行きましたガブ~チッ!」


 第二問目って、生物なの?


「その店には、ステータスウィンドウ麺が五億ジィアカで売っていましたガブ~チッ!」


 高っ!?

 それはちょっと高すぎだろ!?


「他には、ステータヌウィンドウ麺が一ジィアカで売っていましたガブ~チッ!」


 そっちは安すぎ!?

 ステータだからか!?


「第二問目さんは、所持金が四億ジィアカになったような気がしましたガブ~チッ!」


「なんでだよ!? 金が増える要素ないだろ!?」


「今、何問目ガブ~チッ?」


「えっ!?」


「『えっ!?』問目でよろしいですかガブ~チッ!?」


「いやいや、ダメだろ!? それと、第二問目さんが買い物に行った話は、なんだったんだよ!?」


「もちろん、そこも問題ですよガブ~チッ!」


「いや、全然関係なかっただろ!?」


「いえいえ、それは分かりませんよガブ~チッ! では、お答えくださいガブ~チッ!」


「二問目!」


「『二問目』でよろしいですかガブ~チッ!?」


「ああ、良いぞ!」


「健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しき時も、朝起きてなんかだるい時も、背中がかゆい時も、その答えでよろしいですかガブ~チッ!?」


「なんだそのセリフは!? 結婚式か!? あと、答えはそれで良いぞ!!」


「分かりましたガブ~チッ! では、正解を発表しますガブ~チッ!! 正解は…… な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な……」


「『な』言いすぎ!?」


「なんと大正解、答えは二問目ですガブ~チッ! では、賞品をどうぞガブ~チッ!!」


 また額縁の化け物が爆発した。



「いちいち爆発するな!? みんな、無事か!?」


「ああ、問題ないだぜだぜ!」


「それは良かった!」



「親父殿、またさっきと同じ紙袋が出て来たですだぜ」


「本当だ。ちょっと中を見てみるか」



 中には、また『ステータスウィンドウ麺』と書いてある箱が入っていた。


「またこれかよ」


「それ、五億ジィアカで売れるのだぜだぜか?」


「そんなバカな。売れるわけないだろ」


 多分。


「お父様、それはどうしますますか?」


「これも持って帰るか」



「よし、じゃあ、進もうだぜだぜ」


「ああ、そうだな」


「それでは、第三問ガブ~チッ!」


「またまた出た!?」


「今、何問目ガブ~チッ?」


「またそれかよ!?」


「『またそれかよ!?』問目でよろしいですかガブ~チッ!?」


「違うに決まってんだろ!?」


 いい加減にしろ!!!!!!!

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