第14話 回復アイテム実食
「次は、食欲減退一発ギャグを試してみるか」
「むっ、ちょうど良くオオコンドリがいるですだぜ!」
「そいつは好都合。あいつに使ってみよう」
「なら、わしは少し離れた場所におるから、終わったら声をかけてくれピピョーン」
「分かったよ」
では、やるか。
くらいやがれ!
オオコンドリの前で、終わりを受け止めし者のポーズをしてみた。
「な、なんだあれはオコ~ン!?」
オオコンドリが、そう言った。
「う、うぐぁっ!? うぐぐぐぐ……」
えっ?
苦しみ出したぞ。
なんでだ?
「ぐぎゃじゅびゃああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
オオコンドリは叫んで、倒れた。
「ええっ!? もしかして、倒したのか!?」
「いや、まだエクスが入って来た感じがしないですだぜ」
「じゃあ、気絶したのか?」
「そうみたいだぜだぜ! とりあえず、とどめを刺そうだぜだぜ!」
「ああ、そうだな。ロッドソード、頼む」
「了解ですだぜ! ロッドソード・ぺしぺしですだぜ!!」
オオコンドリは真っ二つになった。
そして、エクスが入ってきたような気がした。
「マスターじいさんマスター、終わったぞ!」
「そうかピピョーン。どうであったピピョーン?」
「終わりを受け止めし者をやってみたら気絶したぞ。あれは、どういうことなんだ?」
「そうなることもあるらしいピピョーン。詳しい原因は不明だピピョーン」
「そうなのか。まあ、とりあえず、成功ではあるんだよな?」
「うむ、その通りだピピョーン。よくやったぞピピョーン」
「それはどうも」
その後も、順調にハモノを倒していった。
なんだ楽勝じゃないか……
と思った次の瞬間、草むらの中からいきなり飛び出して来たスキャベツムが、俺の左腕に体当たりをしてきた。
スキャベツムは、ロッドソードがぺしぺしで倒してくれた。
「お父様、大丈夫ですですか?」
「骨は折れてないみたいだが、かなり痛むな」
「油断大敵だぞピピョーン」
「まったくだな。気を付けよう。みんなもだぞ」
「うむ、了解ですだぜ」
「アルヴェリュードよ、こういう時は、回復アイテムを使うのだピピョーン。出し惜しんではいかんぞピピョーン」
「分かったよ」
リュックサックから『ピョーピョンぴピョぴょピョぴょ太郎のおばあさんが大好きな味』を取り出し、飲んでみた。
ちょっととろみが付いているんだな。
すごく甘くて、桃みたいな味だ。
正直、飲みやすいとは言えないな。
すべて飲み干した。
「痛みは取れたかピピョーン?」
「いや、まだ痛むな」
「それなら、もう一本飲んでおけピピョーン」
「えっ!?」
三五〇ミリリットルくらいあるのを、もう一本!?
「結構キツイんだけど……」
「ケガを放置しておくわけにもいかんだろピピョーン。早く飲めピピョーン」
「分かったよ……」
二本目を飲み干した。
「だいぶ良くなったぞ」
「だが、完治ではなさそうだなピピョーン。もう一本飲んでおけピピョーン」
「ええ…… 腹がだいぶ苦しいんだけど……」
「お父様、がんばってくださいさい」
「そうだぜだぜ、親父!」
「うう…… 分かったよ……」
三本目を飲み干した。
「飲みすぎで、今度は腹が痛くなりそうだ……」
「そこは、まだまだ未熟なようだなピピョーン」
「そういえば、回復アイテムを食べる訓練もするんだっけ?」
「うむ、もう少ししたら始める予定だピピョーン」
「そうなのか」
「お父様、腕の方はどうなんですですか?」
「ああ、もうまったく痛くないぞ」
「それは良かったですだぜ」
「回復アイテムを使い切ったから、もう帰るとするかピピョーン」
「そうだな」
町に戻って来た。
「では、ハモノを買い取ってくれるところに向かおうピピョーン」
「ああ、分かったよ」
「ここが『ハモノ買取所』だピピョーン」
そこには、デカい大根のようなものがあった。
「これはもしかして、オオコンドリを模して作ったものなのか?」
「うむ、そのようだなピピョーン」
「なんでそんなものを!?」
「そこは不明だピピョーン。気にするなピピョーン。さあ、行くぞピピョーン」
「あ、ああ……」
中に入った。
役所みたいな感じだな。
複数の窓口、椅子の置いてある待合所がある。
ただ、職員と思われる人たちの服装がおかしいな。
なんで葉っぱで作られた服を着ているんだ?
いくらハモノ買取所の職員だからって、自分たちまで葉物にならなくて良いんだぞ?
訳が分からないなぁ。
まあ、いいか。
倒したハモノを売却した。
そして、家に帰った。
自室に戻って来た。
「ふぅ、結構疲れたな。休むとしようか」
「そうですですね」
「いや、その前に、オオコンドリの回復アイテムを食べてみようだぜだぜ!」
「うむ、そうしようですだぜ」
「ああ、分かったよ」
オオコンドリが持っていた白い粒を、みんなで食べてみた。
「これは……
「ああ…… ボソボソしてて、苦くて
「これは確かに、非常時以外食べたくないですですね……」
「まったくですだぜ……」
「ああ、こいつはしみじみと
「派手に不味いって、なんだよ?」
「思わずきりもみ回転しながら、地面に突き刺さるくらいの
「なんだそれは!? 意味が分からないぞ!?」
いったいどんな
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