『猫』

 流石に辛かった。

 痛い…とまではいかないけど、気持ち悪くはなるくらいに嬲られた。

 それもこれも先月送信できなかったのが悪い…。

 でもまあ、先月送信できなかった分、今月に回せるからいいか。そのおかげであと2つ作れば良いんだし。

 でもまあ、『アレ』のせいで今日まで時間を食われたというのも事実だ。

 メリットよりもデメリットのほうが大きい。当たり前なんだけれど。

 さてと、そんなことはさておき、今日もまた400字で世界を作っていこうと思う。


―――

『猫』


「久しぶり」

 後ろから声をかけられる。

「あ、えっと…久しぶり。」

「元気そう?ずっと休んでたけど大丈夫?」

 大丈夫――ではない。

 私はもう既に死んでいる。休み始めた一ヶ

月前から、ずっと。

 先生は彼らに――小学生に配慮して、あま

り直接的な表現を使わなかったのだろう。し

かし、こういうときに面倒だ。

「…?どうしたの?黙っちゃって。」

 子供はそういうことに敏感なのだ。幽霊と

かも子供が見ることが多い。私もそうだろう。

「…いや、大丈夫!じゃね!」

「え?あ、ああ。じゃーね?」

 私は真実を告げずにその場を去った。

 そっちの方がいいと思ったからだ。

 彼にとっての私は彼の中で生きていて欲し

い。たとえ本物の私が死んでいても。

 私はシュレディンガーの猫でいいのだ。

―――


 会話文を入れてみた。

 たしかに文章というか、物語は作りやすかったけど…でも、鉤括弧は原稿用紙を圧迫するからあまり好きじゃない。

 この前の『連帯責任』みたいな書き方ならいいけど、なんかなあ、と思う。

 物語は書けたけど文章は書けなかった。


 これじゃ世界はできないなぁ、と思った。

 けど、あんまり考えすぎておかしな世界を作るのもアレだ。

 今日はこれでおしまいにする。

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