第94話 次の敵は……


 大きい衝撃音とともに肉体は落下。まともに受け身すら取れていないせいで、ダメージを受けているのがわかる。


 自分たちの重みで、大きなダメージになっているはず。


 実際ダメージを受けて、肉体が損傷しているのがわかる。特に右手の部分が、通常ではありえない方向に曲がっていて、骨が折れているのがわかる。そこ以外も、傷だらけ。

 ちょっと難しいと思ったけど、上手くできて良かった。そして、これは大きなチャンスだ。



 ここで少しでも、ダメージを与えておきたい。周囲を見ると、璃緒とネフィリムも、同じように戦いを行っていて、有利に戦いを進めている。


 ネフィリムについては、力押しで何度も打撃を与えている。さすがは元魔王といった感じ。

 2人については、問題なさそう。あとは、俺がこいつを倒すだけ。


 無課金の攻撃でもダメージが通るくらい、何度も連続攻撃を繰り出す。



 生物の肉体の構造上しばらくは立ち上がれないはずだ。

 実際、『グバゼバ』は何とか立ち上がろうとしてもがいているが立ち上がることはできない。




 追撃だ。ここで少しでも、ダメージを与えておきたい。周囲を見ると、璃緒とネフィリムも、同じように戦いを行っていて、有利に戦いを進めている。


 ネフィリムについては、力押しで何度も打撃を与えている。さすがは元魔王といった感じ。

 2人については、問題なさそう。あとは、俺がこいつを倒すだけ。



 無課金の攻撃でもダメージが通るくらい、何度も連続攻撃を繰り出す。


 遠距離攻撃はだめだ。ほとんど効かない。高いレベルで、物理で殴らないと。剣術で、肉体を何度も突きさす。目に見えないくらいの速さで、何度も連撃を放つ。


 効きにくいとはいえ、何度も攻撃を放って、傷口が増えていってダメージが蓄積されていってるのがわかる。


 このまま、押し切っていこう。


 何度も攻撃を加え、ボロボロになっていった『グバゼバ』。さっきまでは倒れこみながらじたばたともがいていたが、やがて虫がつぶされたときのような苦しみもがく動きに変わり、文字通り虫の息状態。最後には、力尽きたのか全く動かなくなった。

 そして俺は──最後の一撃を加える。


 さっきとは違い、外皮のようなもので肉体を守っている感触はない。一刀両断で、『グバゼバ』を真っ二つにした。これでこっちは終わり。


 後は2人の方か。2人が戦っていた方向へと視線を向けた。


 ネフィリムは、とうとう倒したようだ。獣のような姿をした凶悪そうな魔獣。

 鋭いはさみのような腕をした魔物と戦っていた璃緒の方も、かなり有利に戦っている。これなら勝利するのも、時間の問題という感じだ──と思いきや、ネフィリムがすぐに加勢。


「理不尽はパワーのごり押しで、乗り越えるのじゃぁぁぁぁぁ!!」


 ネフィリムが右手に杖を上げ、あの時の最後の戦い以降感じたことがないくらいの魔力をネフィリムは杖に込めた。


「待ってください、人質もいるんです」


「わかっているのじゃ、だったら、こうすればいいのじゃ」


 今までにないくらいの魔力を秘めた魔力から放たれたのは、人の身長くらいのリングだった。オレンジ色をした、魔力の塊のリング。


 それが、魔物に向かって突っ込んでいく。そして、リングは人質がいない魔物の心臓部分を貫通し、肉体は真っ二つに分断。



 それからは、魔物は蒸発するようにして消滅していった。

 まさか、本当にパワーでごり押ししきってしまったとは。さすがだと言いたい。


 何とか勝つことができた。

 勝ったけど、一つ間違えれば負けてもおかしくない戦いだった。結構運任せの部分もあったし。それでも、ネフィリムは圧倒的な実力を見せてくれた。やっぱり、単純な火力は俺よりもはるかに上なんだよな。

 視線が合うなり、ネフィリムが自信満々の笑みで親指を上げた。


「何とか、勝ったのじゃ」


「無課金縛り、きつかったですけど、何とか勝つことが出来て良かったです」


 璃緒は軽く息が上がっていて、苦笑いしながら答える。さすがは璃緒だ。

 それから、俺たちは肉体にまとわりついていた人質たちを解放。


「た、た、助かった~~」


「あ、ありがとな」


「よかった。じゃあさっさと逃げさせてもらうわ」


 魔物たちの束縛から逃れた配信者たちは、色々な言葉を吐きながら一人、また一人とこの場から逃げかえっていく。


 まあ、絶対に勝てないような強さの上、脱出もできなかったとなると恐怖心も出てくるだろう。

 そして、再びこの場所には、俺たちだけに。


「この後、どうなるんだ?」


「う~~ん、まだ完全に終わったわけではなさそうです」


「じゃが、まだ気配がするぞ。油断するな」


 そうだ、ネフィリムの言葉通り、魔力の気配は弱まったものの消えない。

 そして、その気配は一瞬にして強くなった。思わず力が入り警戒モードに。



 周囲を見ると、ここの奥にある神殿のような場所に、光の柱があらわれる。巨大な神殿全体を包み込む、とても大きな柱。


「何か来るぞ」


「どんな相手でも、わらわたといは負けないのじゃ」


 すぐに戦いになるのか? 大丈夫、いつ戦いになっても大丈夫なように準備は出来てる。

 そして、光の柱は弱くなって、そこに人影があった。こいつがラスボスなのだろうか?


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