第53話 最高のデート
にっこりと満面の笑みを浮かべていた。ここまで喜んでもらえると、こっちとしてもとても嬉しい。それから、色々と話して店を出た。普段食べている物とか、この世界に来て美味しいと感じたものとか自然と会話が弾む。
「やっぱりたけのこのお菓子は美味しいのじゃ。お好み焼きも、焼きそばとキャベツと甘めのソースが良く絡み合っていておいしかったのじゃ」
「なんか宗教戦争になりそう」
「アニメ──いろいろ見ているぞ。遊見王アルクファイブ、獲物フレンズ2、「モクテ・ミミック」、鉄血のフリージロ」
「まあ、楽しんでくれて何よりだよ」
何か評判が良くないアニメばかり見ているような。
とはいえネフィリム自体はこの世界に順応できているようなのでそれがわかったのは嬉しい。
気が付けばあっという間に夕方になってきて、そろそろ帰りの時間。
電車で最寄り駅まで移動して、別れの時間となった。人通りの多い駅前で向かい合う。
「今日は、とても楽しかったのじゃ」
「それは良かった。よろこんでくれて何よりだよ」
にっこりと笑顔を見せるネフィリム。よろこんでくれて本当に良かった。
ネフィリムが嬉しそうな様子を見ていると、こっちまで嬉しい気持ちになってくる。
「でも、澄人は楽しかったか?」
「え??」
「ずっと、わらわのことを考えてくれていたのはわかる。気を使ってくれたのも感じていた。それは嬉しいのじゃが、肝心の澄人は楽しかったか? ずっと、わらわに気を使っていたように見えたのじゃ」
ネフィリムが、困ったような表情をする。まあ、その通りだな。絶対にネフィリムを喜ばせるって、色々スケジュール考えて、予定立ててたのはよかったんだがそればかり考えすぎたかもしれない。結局、俺はあまり楽しめなかったな。それでも……今日はいいんだ。
「俺は──初めてのデートでドキドキだったよ。だから、緊張しちゃったかな。でも、ネフィリムがすっごい笑顔で楽しそうなのを見ると、こっちまで嬉しい。だから、気にしないでいいよ」
そうだ。ネフィリムが喜んでくれれば今日はいい。俺は──またどこかで楽しめればいいや。
「次は、澄人も楽しめるようにわらわも考えるのじゃ」
「それはありがと」
ネフィリムがそう言ってくれたのが、こっちとしてはとても嬉しい。俺のことを、ここまで考えてくれる人は正直初めてだ。これからも、ネフィリムのことを大切にしていきたいと思う。
でも、次はちょっと楽しんでみよ。また一方的に尽くす形だとネフィリムを困らせちゃう可能性があるし。その方がネフィリムも楽しんでもらえる気がする。
そう考えた時だった。
いきなり強めの風が吹いて、ふわっとネフィリムのスカートがめくれ上がった。
「いや~~んなのじゃ~~」
慌ててネフィリムがスカートを抑えると、スカートが軽く舞い上がる。
流石に下着までは見えなかったが、ネフィリムの白っぽくてハリがよさそうな太ももが丸見えになってしまう。
やっぱり、スタイルいいしきれいだよな。そして、こっちを見るなり不満そうに顔を膨らませた。
「この、エッチなのじゃ」
「しょ、しょうがないだろ突然の事なんだから」
「でも、澄人ならいっぱい見せてあげてもよいぞ。今日はかわいらしいパンツをはいてきたのじゃ」
そう言って、なんとスカートを自分でめくりあげてきた。真っ白で、かわいらしい柄が付いた下着が丸見えになってしまう。
「待ってくれ! 別に見せなくていいから。いいからしまってくれ!」
「まったく、澄人はシャイなのじゃ。好きなだけ見てもいいというのに」
不満そうにネフィリムはスカートを元に戻す。こんなところでするなよ。人目を気にするとかないのか?
そして、再び2人の間に笑顔がこぼれる。色々と課題点や難しいなって思うところはいっぱいあった。
それでも、幸せそうな表情を見れてとても嬉しい。
去っていくネフィリムを視界にとらえながら、もっとこんな時間を大切にしていけばいいなと思った。
【期待の新星】からすみ君総合スレ敵討伐数114人目【最強無敵】
514 ダンジョン攻略中の名無しさん
何であいつネフィリムと一緒なんだ? 璃緒ちゃんまでいるし
515 ダンジョン攻略中の名無しさん
>>514 しばらくコラボだとよ。ネフィリムは自分のダンジョンの宣伝のため、からすみは1人だと会話が盛り上がらないからだって言ってた
516 ダンジョン攻略中の名無しさん
わかる。彼腕はあるけどトーク上手くないもん。一人だと放送事故になっちゃいそうだし
517 ダンジョン攻略中の名無しさん
璃緒ちゃんも、笑顔が可愛くてとってもかわいいよな。ちょっと硬い表情のからすみとよく合ってる
518 ダンジョン攻略中の名無しさん
わかるわかる。最初は璃緒ちゃんの都合で合うかなって心配だったけどよく合ってると思う。息もぴったりになってきてるし。他メンバーが復帰したら解消されちゃうのが惜しいくらいだ。
519 ダンジョン攻略中の名無しさん
登録者数も伸びてきたし、このまま成り上がるのかな?
520 ダンジョン攻略中の名無しさん
案外戦い方を研究されて足元をすくわれたりしてな。かなろこみたいなその筋の専門家に
521 ダンジョン攻略中の名無しさん
ああ、厨パ狩りだっけ。出くわしたら勝てるか?
522 ダンジョン攻略中の名無しさん
かなとろこだっけ、実力もそうだけど──洞察力が強くて毎回弱点を突いてくるんだよな
523 ダンジョン攻略中の名無しさん
まだ有名になって間もないからないと思うけど、戦ったらどっちが勝つか楽しみだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます